【10月22日 東方新報】中国・広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)で開催中の第138回中国輸出入商品交易会(広交会)第1期では、中国製ロボットが海外のバイヤーから高い注目を集め、海外からの注文が増えている。
第1期は10月15日に開幕し、テーマは「先進製造」。出展企業は約1万2000社で、電子・家電、産業機械、照明機器、金物工具、車両や二輪車などの分野をカバーしている。会場内にはサービスロボット専用エリアも設けられ、AI技術の実用化を後押しする最新のロボットが展示されている。
ここ数年、中国のロボット産業は急速に成長している。国際ロボット連盟の「2025年世界ロボット報告」によると、2024年時点で中国国内で稼働している産業用ロボットは200万台を超え、世界最多となった。
中国税関総署の統計では、中国製ロボットの用途は広がり、海外市場での需要も拡大している。2025年1〜9月の産業用ロボット輸出は前年同期比54.9%増と大幅に伸びた。
広交会のサービスロボットゾーンでは、各社が自社の主力製品を展示している。上海氦豚機器人科技のブースでは、コーヒーを淹れるロボットが来場者の注目を集め、多くのバイヤーが足を止めて価格を尋ねたり、スマートフォンでライブ配信したりしていた。
「今回展示しているのは第6世代のコーヒーロボットで、197か国の異なるラテアートデザインや味を再現できます。スペイン、フランス、米国などで人気があり、すでに多くの国で販売しています」と同社創業者の韓非子(Han Feizi)氏は話す。韓氏によると、同社は14日にノルウェーやイスラエルの顧客と約300万ドル(約4億5360万円)の契約を結び、初日から多数の商談が進んでいるという。
メキシコのバイヤー、アーロン(Aaron)さんはロボットが淹れたコーヒーを手に「このラテアートは私の顔なんです。驚くほど精密で、本当に感動しました。初めて広交会に来ましたが、中国のロボット製品は機能が豊富で品質も高く、ぜひ仕入れたい」と語った。
広州視源電子科技(CVTE)は、柔軟アームを備えたスマートロボットや業務用清掃ロボットなどを出展した。「この清掃ロボットは自社開発のアルゴリズムを採用していて、複数の空間を自動で移動し清掃できます。海外では人気商品になっています」と同社ロボット事業部の龔子鈺(Gong Ziyu)総裁は説明する。製品はすでにシンガポール、ドイツ、イギリス、ポーランドなどに輸出されている。
龔氏によると、初日から中東や欧州のバイヤーが商談に訪れ、工場見学の予約も入っているという。2024年の海外売上高は54億元(約1145億7450万円)に達し、同社は海外市場の成長に強い自信を示している。
魔法原子ロボット科技のブースでは、四足歩行ロボットが注目を集めた。担当者の閔詩卉(Min Shihui)氏は「これは当社初の産業向け四足ロボットで、障害物を乗り越えたり、氷点下20度から摂氏55度までの幅広い環境で作業できます。巡回点検や警備、救助などの用途に対応しています」と話す。
閔氏によると、広交会を通じて東南アジアや欧米の顧客とつながりができ、中国製ロボットへの信頼が高まっているという。「初日だけでスイスやスペインなどのバイヤーが訪れ、複数の商談が進んでいます」と語った。
オマーンのバイヤー、ファルサド(Farsad)さんは「私は広交会の常連です。今回は家庭用と業務用のロボットを探しています。中国製品は品質が良く、価格も手頃で、私の国でも競争力があります」と話した。(c)東方新報/AFPBB News