中国経済の実質的な成果、上半期は前年同期比5.3%増

10月22日 15:40


山東省、活発に稼働中の「青島港前湾コンテナターミナル」=撮影日不明・資料写真(c)PeopleʼsDaily/韓加君


【10月22日  People’s Daily】「上半期の中国経済は圧力に耐え、安定成長を維持し、安定の中の進歩、安定の中の好転という発展態勢を保った。これは第2四半期以降、国際情勢が急変し、外部からの圧力が顕著に強まった状況下で達成した成果であり、実質的な価値が非常に高い『成績表』だ。中国経済の耐圧能力と強靭性が十分に示され、年間目標の達成に向けて比較的良好な基礎が築かれた」、7月15日に行われた中国国務院新聞弁公室の記者会見で、国家統計局の盛来運(Sheng Laiyun)副局長は上半期の国民経済の状況をこう説明した。

上半期の中国の国内総生産(GDP)は安定した成長を示した。速報値によると、上半期のGDPは66兆536億元(約1364兆6674億円)で、前年同期比5.3%増となり、2024年上半期と通年の成長率(いずれも5.0%)を0.3ポイント上回った。

雇用情勢は全体として安定し、消費者物価はおおむね落ち着いていた。国際収支は基本的に均衡している。上半期、中国の貨物貿易の輸出入額は過去の同期比で最高額を記録し、外貨準備は3兆2000億米ドル(472兆5120億円)以上を維持した。

現在、中国各地では技術革新と産業革新の融合発展に力を入れており、新産業、新技術、新業態が比較的速いペースの発展を維持している。イノベーションへの投資は引き続き拡大し、中国の研究開発費がGDP比で約2.7%に近づき、すでにEUの平均水準を超え、経済協力開発機構(OECD) 加盟国の平均水準に近づいている。今年1月から5月までの中国の有効発明特許出願件数は約500万件近くに達し、前年同期比12.8%増加した。

新興産業は順調に成長している。上半期、一定規模以上(年間営業収入が2000万元以上)のハイテク技術製造業の付加価値額は9.5%増加した。1月から5月まで、一定規模以上の戦略的新興サービス業企業の営業収入は10%近く増加し、イノベーションの成果と産業との融合がハイテク産業の発展を牽引した。

デジタル経済が急速に発展した。人工知能(AI)の発展が加速し、デジタル産業と産業のデジタル化が加速的に推進され、デジタル経済コア産業の付加価値額のGDPに占める割合は約10%に達し、先進国と比較しても比較的高い水準にある。

グリーン発展の質と効率が向上した。上半期、新エネルギー車および車載用リチウムイオン動力電池の生産台数はそれぞれ36.2%、53.3%増加し、グリーン産業は引き続き高い伸び率を維持した。

同時に、各地で従来型産業の更新と改造が継続され、産業の改造と高度化が加速した。

盛副局長は「今年に入り、中国は外部からの挑戦に対応するため、『国内大循環』の強化・拡大をより一層重要な位置づけとし、内需拡大、生産促進、循環の円滑化を支援する一連の政策を打ち出した」と述べた。

統計データから見ると、人流、物流、資金の流れは全て改善しており、上半期の貨物輸送量は前年同期比5.1%増、旅客輸送量は4.9%増、6月末の「広義のマネーサプライ」は前年同期比8.3%増加した。

上半期、一連の内需拡大・消費促進政策により、消費市場は活発化し、発展傾向は強まった。「内需」のGDP成長に対する貢献度は68.8%で、そのうち最終消費支出の貢献度は52%だった。「内需」、特に「消費」が成長の主な原動力となっている。
さらに、「中国旅行」「中国での買い物」は引き続き活況を呈し、特にビザ免除の対象国の拡大後、中国を訪れる観光客が増加し、国内消費を牽引した。

盛副局長は、外部の環境には不確実性が残り、内部的な構造調整の圧力も大きいが、総合的に判断すれば、下半期の中国経済は安定した成長を維持する基盤があるという見解を示した。

下半期の消費発展の基盤について、盛氏は「中国の一人当たりGDPは2年連続で1万3000米ドル(約191万9580円)以上を維持しており、消費構造の高度化が進む重要な段階にある。文化・観光、医療・健康、養老・介護消費の潜在力は大きく、14億人を超える市場規模の優位性は非常に明らかだ」と説明した。

いくつかの先行指標と積極的要素が改善し、高品質な発展の良好な勢いを示している。

サービス業は長年の構造転換を経て、経済成長への貢献度を高めている。上半期、サービス業の付加価値額がGDPに占める割合は59.1%で、GDP成長への貢献度は60%を超えた。 

ここ数か月「サービス業景気指数」は50%以上の拡大域を維持しており、サービス業の発展の勢いが良好であることを示している。

輸出面では、中国は多元的な対外開放を推進し、多元的な貿易構造を構築しており、単一国家への貿易依存度は一桁台に低下した。

盛副局長は「今年に入り、中国はより積極的で有力なマクロ政策を実施し、景気の下支えの効果を発揮した。また最近、関係部門が下半期の政策を迅速に打ち出しており、経済の安定運営に対して、引き続き重要な下支えの役割を果たすだろう。経済の支えとなる多くの要素に基づき、中国経済は下半期も安定の中の進歩、安定の中での好転という発展の態勢を維持し続けるだろう」との見解を示した。(c)People’s Daily /AFPBB News