政治家は私腹を肥やしているのか? 仏首相、国民の声に応え調査命令
08月23日 14:45
仏パリで、2026年度予算の主要方針を発表するフランソワ・バイル首相(2025年7月15日撮影)。(c)Thomas SAMSON/AFP
【8月23日 AFP】フランスのフランソワ・バイル首相は22日、すべての政治家が「私腹を肥やしている」と国民に見なされていると警告し、不当な利益を得ている議員や官僚を摘発すると表明した。
巨額の財政赤字を削減するアイデアを募集した際、政治家が「私腹を肥やしている」と考える国民が圧倒的多数だと分かったという。
バイル氏は、2026年度予算で440億ユーロ(7兆5800億円)の削減を目指し、二つの祝日の削減から1年間の支出凍結まで、さまざまな歳出削減案を既に提示しているが、大きな反対に直面している。
バイル氏は歳出改革を後押しするため、ソーシャルメディアに一連の動画を公開しており、22日に公開した動画でアイデア募集の結果を発表した。
多くの国民が、「政府は政治指導者、国会議員、政府関係者の『特権』に手をつける」必要があると考えていることが分かった。
バイル氏は、「私はこの質問を非常に深刻に受け止めている。なぜなら、それは疑いの目で見られていることを意味するからだ。多くのフランス国民は、政治家が私腹を肥やし、公金の無駄遣いをしていると信じるようになっている」と主張。
「私たちはこのすべてを明らかにする必要がある。フランスの国会議員や政治指導者は、不当、過剰、あるいは容認できない利益を得ているのだろうか?」と問いかけた。
極右政党「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏は、欧州(EU)から資金を不正に受け取ったとして、公金横領の罪で有罪判決を受けた。フランスの他の政治家も同様の事件を起こしている。
フランス政界ではよくあることだが、バイル氏はこの疑惑の調査を命じ、不正が見つかった場合は「撲滅する」と表明した。
調査は、歳出の無駄を暴くことで名をはせたルネ・ドシエール元議員(84)が指揮を執る。(c)AFP