【8月11日 CNS】2025年下半期に入り、中国資産の価値再評価の波が世界の資本市場で進んでいる。最近ではA株市場の主要3指数が年初来の最高値を連続で更新し、上海総合指数は3600ポイントの節目を突破した。
同時に「韓国の投資家が中国資産を大量購入」という話題が投資界で広く注目を集めた。韓国証券保管決済院のデータによると、7月15日時点で韓国投資家の年初からの中国本土・香港株式市場での累計取引額は54億ドル(約7954億4400万円)を超え、中国は韓国にとって2番目に大きな海外投資先となった。
資金の流れから市場心理を読み取ると、国家外貨管理局が発表した最新データも海外資本の中国資産への関心を裏付けている。上半期に海外投資家が新たに保有した中国本土の株式とファンドは101億ドル(約1兆4883億円)に達し、とくに5月から6月にかけては純増規模が188億ドル(約2兆7703億円)に拡大した。
こうした動きは短期的な市場の感情ではなく、方向性のある調整に近い。実際、「中国資産の回帰」が投資の主軸となるとの見方は、各投資機関の戦略レポートで繰り返し示されている。国際的な独立系資産運用会社インベスコ(Invesco)の最新報告では、世界の141の政府系ファンドのうち59%が中国を「最優先」または「比較的優先」市場に位置付けた。
世界資金による中国資産の価値再評価が進むなか、UBSグローバル金融市場部の中国責任者、房東明(Fang Dongming)氏は「2025年は中国資産にとって大きな年になる可能性が高い」と語る。
資本の動きはまた、米国資産の再評価が始まっていることも示している。国際金融投資の専門家ルイス・ガフ(Louis‑Vincent Gave)氏は「米国資産からの資金流出を伴う大規模なローテーションが進行している。米国資産の時代は終盤に入り、世界の資金は中国に向かっている」と述べた。彼はさらに「過去10年間、世界資本は米国株に過剰投資してきたが、今はリスクを減らし、新たな成長源を探している。投資の世界での『米国例外論』はすでにピークを迎えた」と指摘する。
この見方は他の専門家も共有している。DBS銀行(DBS Bank)の上級投資戦略士、鄧志堅(Deng Zhijian)氏は「ここ数年、世界資本は米国、特に米国株に集中していたが、この傾向は昨年末から変化し始めた。欧州や香港市場に上場する中国本土企業など、アジア資産に多くの資金が流入している」と中国新聞社(CNS)の「三里河中国経済観察」の取材に答えた。
一方で、米国は財政赤字の拡大や米国債利回りの変動によって主要資産から資金が一部流出している。他方、中国市場は相対的に安定しており、制度面でも予見可能性が高く、世界資金は中国資産への投資を増やしている。ただし、中国投資の潮流は外部要因による「資金流出」だけでなく、内部の経済的要因による「資金流入」にも支えられている。
国家外貨管理局の賈寧国際収支司長は記者会見で、人民元建て資産の魅力は三つの要素に基づくと説明した。第一に、堅調な経済基盤が安定したマクロ環境を提供すること。第二に、高品質な金融市場の発展が良好な政策環境をもたらすこと。第三に、世界の資産分散投資の需要が中国投資に大きなチャンスを与えていることだ。
どの分野の資産が注目されているかも明らかだ。インベスコの報告によると、中国のデジタル技術・ソフトウェア、先進製造と自動化、クリーンエネルギーとグリーン技術、医療・バイオテクノロジーの各分野が、今後3~5年で最も魅力的な産業と見られている。
これらの分野は、中国の産業構造転換の方向性を示すとともに、世界のグリーン化やスマート化という長期的な潮流とも合致する。鄧志堅氏は「最近の中国ハイテク企業の市場でのパフォーマンスは非常に目覚ましく、米国の『テック7巨頭』にも匹敵する。将来的に米国外の投資機会を探すなら、中国のハイテク株は中核分野になる」と話す。
資金の流れに表れる投資の潮目の変化は、西から東への資本移動を示しており、その背景には世界的な投資ロジックの急速な再編がある。中国経済と中国資産にとって、新たな物語が静かに始まりつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News