世界最速の磁気浮上試験プラットフォーム 中国・武漢で公開

06月20日 14:10


時速600キロの高速リニア試験試作車(2025年6月18日提供)。(c)CGTN Japanese


【6月20日 CGTN Japanese】「車輪式鉄道、例えば高速鉄道の最高速度は時速400キロが限界だが、新世代の磁気浮上システムは時速600キロが出発点。今後10年から20年の間に、中国人が完全に自主開発した時速600キロ超のリニア列車に乗る日が来るだろう」と語るのは、中国の湖北東湖実験室の李衛超主任です。

 中国中部にある湖北省武漢市では16日、同実験室が独自開発した「1キロ高速磁気浮上試験線」の初公開デモンストレーションが行われ、重さ1030キロの試験車が時速650キロを記録し、類似の試験設備としては世界最速となりました。

 全長1キロの試験線はまるで地面に横たわる龍のようで、南端から発進した試験車は電磁力によって急加速し、わずか7.1秒で時速650キロに達し、10秒後には北端で停止しました。この間の加速度は最大8Gに達し、戦闘機パイロットが耐えられる限界に匹敵します。

 この驚異的なスピードを実現した理由には、車体とレールが「同極反発」の電磁力で物理的に接触しないため、摩擦がなく、空気抵抗のみを受けて加速できる点が挙げられます。
試験線の最終目標は時速800キロで、年末までに建設を完了し、検収が予定されています。完成後はオープンで協力的な実験プラットフォームとして高速環境での各種試験が実施されます。

 また、同技術は超高速輸送だけでなく、宇宙ロケットや低空経済、遊園地施設など、さまざまな分野での応用も期待されています。

 中国の湖北東湖実験室は、新エネルギー船舶や航空宇宙、スマートマイクログリッドなどの分野でも成果の実用化が進められており、これまでに四つの技術革新センターと10の試験プラットフォームが設立されました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News