【6月7日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領と実業家イーロン・マスク氏の激しい対立を受け、ホワイトハウス関係者は6日、トランプ氏が今年マスク氏への支持を示すために購入したテスラ車を手放す可能性があると述べた。
AFP記者によると、価格約8万ドル(約1150万円)のこの赤い電気自動車(EV)は、トランプ氏とマスク氏が公然と決裂した翌日の6日も、ホワイトハウス敷地内の駐車場に止まっていた。
トランプ氏がこのテスラ車を売却または手放すつもりかとの質問に対し、ホワイトハウス高官は「彼(トランプ氏)は検討している」と答えた。
テスラ株は、2人の対立を受け5日に14%以上急落し、時価総額は約1000億ドル(約14兆4000億円)減少したが、6日の早朝取引で反発した。
大統領として車を運転しないトランプ氏は、3月にテスラ車を購入した理由について、超大口献金者であるマスク氏への支持を強化するためだと述べている。マスク氏の連邦政府職員削減への関与をめぐり、テスラのブランドと収益は大きな打撃を受けている。
ホワイトハウスをテスラのポップアップショールームに変貌させた、演出された宣伝活動の中で、トランプ氏はテスラ車を「素晴らしい製品」と称賛し、マスク氏とテスラに対する「極左」からの攻撃を、ソーシャルメディアで激しく非難した。
先週、ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官とマーゴ・マーティン大統領特別補佐官兼広報顧問がトランプ氏のテスラ車の中でポーズをとった写真がX(旧ツイッター)に投稿された。
マーティン氏は「トランプ大統領のテスラに試乗」とコメントを添えた。
だが、この赤いテスラ車は今や、トランプ氏とマスク氏の激しい政治的決裂を象徴する厄介な存在となっている。
マスク氏がトランプ氏の看板政策を盛り込んだ歳出法案「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル」を「忌まわしい」と批判したのを受け、トランプ氏は、マスク氏に「大いに失望した」と述べ、連邦政府とマスク氏の契約を打ち切ると脅した。(c)AFP