中国山間部の小学生、縄跳びの世界大会で金3個獲得

08月13日 17:30


トレーニングに励む新華小学校ジャンプロープチーム最年少の李聿綸(り・いつりん、6)君(2024年8月7日撮影)。(c)Xinhua News


【8月13日 AFPBB News】中国重慶市黔江(けんこう)区にある新華小学校の児童8人がこのほど、日本の神奈川県川崎市で開催されたジャンプロープ(縄跳び)のアジア選手権大会に出場し、金・銀・銅メダルをそれぞれ3個ずつ獲得した。

 同大会はアジアで最もレベルが高く、影響力のあるジャンプロープの国際大会の一つで、今年は中国や日本、韓国、インド、マレーシアなど九つの国と地域から700人以上の選手が参加した。新華小学校の児童は選抜を経て中国代表チームとして出場。8人のうちほとんどが国際大会は初参加だったが、シングルロープ個人フリースタイル(9~11歳)女子、ダブルダッチシングルフリースタイル(9~11歳)、シングルロープチームフリースタイル(12~15歳)の3種目で優勝した。

 今回の結果について厳静(げん・せい)コーチは成績には満足していると評価、「ここ数年、強化種目をスピードからフリースタイルへ転向してきた。今大会の結果は、それが一定の成果を上げたことを示している」と語った。

 新華小学校は2012年からジャンプロープを同校の特色ある体育科目に組み入れ、スポーツと教育の融合を実践してきた。今年のアジア選手権大会以前にも、同校のジャンプロープチームは国際大会に5回参加し、金メダル15個、銀メダル6個、銅メダル5個を獲得、2種目で世界記録を、3種目でアジア記録を更新した。中国国内の大会でも金メダル78個を獲得している。

 同校の楊饒(よう・じょう)校長は「体育科目を設定する際、私たちのような山間部の小学校は平地が少ないなど地理的に制約を考慮しなければならず、器具や設備、経費面でもぜいたくは言えない」と述べ、子どもたちが国際大会で良い成績を収めることができたのは、地方政府の強力な支持、歴代校長らの一貫した努力、厳静コーチの無私の貢献があったからだと強調した。

 大会を終え帰国したばかりだが、厳コーチは既に来年の選手権大会に向けて準備を始めている。「私たちの主なライバルは日本や韓国の選手。彼らがストリートダンスのような要素を演技に生かしていたことに非常に刺激を受けた」と話し、無形文化遺産にもなっているトゥチャ族の伝統舞踊「擺手舞(はいしゅまい)」の音楽と動きを演技に取り入れようと試みている。重慶市黔江区はミャオ族やトゥチャ族の居住エリアで、自身もトゥチャ族出身である厳コーチは「こうした方法を通じて、民族文化を世界の舞台で披露したい」と意欲を示した(c)Xinhua News/AFPBB News