【12月1日 東方新報】アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの砂漠に、中国企業によって建設されたソーラーパネルが立ち並ぶ「エネルギーのオアシス」が出現した。
世界最大の太陽光発電所建設計画「アル・ダフラ(Al Dhafra)・ソーラー・プロジェクト」がこのほど全面的に完成し、同国のエネルギー構造全体に占めるクリーンエネルギーの割合が13パーセントを超えた。
中国外交部の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は、「アル・ダフラ・ソーラー・プロジェクト」は現在、単一ユニットとしては世界最大の太陽光発電所で、一帯一路(Belt and Road)構想のグリーンエネルギー協力事業を象徴する重要プロジェクトだと紹介した。
汪報道官によると、アブダビから約35キロ離れたこの太陽光発電所は、20万人の住民にクリーンな電力を供給し、毎年最大240万トンの二酸化炭素排出量の削減に貢献すると期待されているという。
中国共産党機関紙の人民日報(People's Daily)は、「中国は世界最大の電力供給システムとクリーン発電システムを保有し、水力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、建設中の原子力発電の規模は長年にわたり世界第1位。また中国の累積発電設備容量は今年6月末現在、27億1000万キロワットに達している。このうち、再生可能エネルギーの設備容量は13億2200万キロワットに達し、史上初めて石炭火力発電を上回った」と報じている。
アブダビの太陽光発電所の他にも、パキスタン南西部の町サーチャル(Sachal)で建設中の「サーチャル風力発電所プロジェクト」、アラビア語で「光」を表すNOORの名を冠したモロッコの太陽光発電の第3期建設工事「NOOR III集光型太陽熱発電プロジェクト」、またカタールやケニアのクリーンエネルギー・プロジェクトなど、中国のグリーン開発へのコミットメントを示す例があると汪氏は説明する。
「これらのプロジェクトは、中国のグリーン開発への貢献の事例であり、低炭素インフラ建設と運行の促進、気候変動を緩和する国際協力を強化するものだ。現在UAEのドバイでは『気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)』が開催されているが、中国はこの会議を支持し、国連(UN)の『持続可能な開発のための2030アジェンダ』を視野に入れながら『緑のシルクロード』の建設を進めていく」と、汪氏は中国の将来構想について述べている。(c)東方新報/AFPBB News