データ活用とコンピューティングで交通輸送を最適化 中国

06月09日 21:34


湖北省襄陽市の魚梁洲環島景観区で、運行中の自動運転新エネルギー車の観光バス(撮影日不明)。(c)People’s Daily/楊東


【6月9⽇ Peopleʼs Daily】中国・福建省(Fujian)アモイ市(Xiamen)でバス運転手を務める肖新華(Xiao Xinhua)さんは朝6時半、37番路線のバスに乗務して駅に向かった。駅に着くと、次は第一ふ頭に向かった。この時点で車体の路線表示はM9番シャトル線になっていた。アモイ市の「柔軟路線バス」モデルは、停留所の交通量や運行状況のビッグデータ分析により、乗客が多い路線にバスを割り当てて輸送力を最適化する。

 交通業界は「輸送力」の時代から「計算力」の時代へと飛躍しつつある。車両のスマート化にとどまらず、道路上のカメラやレーザーレーダーにより人、車、路線、停留所、道路、操車場などの多角的データを都市交通の「大脳」に伝えて意思決定プランを形成することで、公共交通の全体的な最適化と細やかな運営を実現することができる。

 湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)では、多くのバスにパノラマ監視システムが搭載されて、運転手の死角が解消されてバス利用がより安全になった。湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)では交差点の信号がバスの通過を優先させることで、より快速な運行を実現した。海南省(Hainan)海口市(Haikou)では、測位システムが乗客の忘れ物の回収を支援している。公共交通デジタル技術を利用することで低価格、省エネ、環境保護、利便性、快適さなどが向上して、より多くの人が移動の際に公共交通を利用するようになるだろう。

 スマート交通の強みは、バスの本数を増加して利便性を増すだけでなく、停留所のスマート化を含めてサービスを改善して多様化する乗客の求めを満たすことができることだ。停留所では天候やルート情報の表示やバス到着の注意喚起のほか、ワイヤレスネットワーク、無料充電などのサービスも提供できる。また、夜間には映像監視、ワンクリックでの救助要請などにより乗客の安全をよりよく保障することができる。ある乗客は「この新型バス停はとてもよい。中高年の移動に便利だ」と語った。

 公共移動サービスの改善はさらに進められていく。アモイ都市バス総合スマートシステム科学技術モデルプロジェクトは先ごろ、中国政府交通運輸部の検査に合格した。快速バスは人の操作なしで停留所に正確に停車ができる。仮に先行車との安全距離が確保されていなければ、衝突防止システムが作動して、最適な駆動プランを算出して運転手のスムーズな走行を補完する。デジタル技術を駆使することで利用者は利便性を実感するようになり、安全性も向上した。

 公共交通サービスは社会全体の効率にも、個人の生活の質にも関係する。デジタル技術を使って都市の公共交通の輸送力を最適化して公共輸送の利用率を高めれば、人びとの円滑な移動に悪影響を及ぼす渋滞などの問題が解消され、素晴らしい生活に対する人びとの期待をよりよく満たすことができる。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News