春秋戦国時代の城郭都市の遺跡発見、中国・無錫市

09月28日 22:37


呉家浜遺跡の城壁の一部(2022年9月26日提供)。(c)CGTN Japanese


【9月27日 CGTN Japanese】中国東部、江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)の鴻山国家考古遺跡公園内にある呉家浜遺跡は、これまでの発掘調査により、その輪郭が徐々に浮き彫りになっています。炭素14年代測定および出土品に対する初歩的な分析の結果、考古学者は遺跡が春秋末期から戦国初期にかけての城郭都市であると暫定的に判断しました。

 現地では、2019年末に溝を掘っていた地元の農民が陶器のかけらを大量に発見し、20年に無錫市文物考古研究所が城壁の遺構を発見しました。21年に遺跡の3地点に対する発掘で、生活用の陶器や原始磁器(施釉陶器)が大量に見つかりました。

 遺跡の探査によりますと、この城郭都市は、内部から外部にかけて「内城」「外城」「郭城」に分かれており、敷地面積は約80万平方メートルです。うち内城の西と南には城壁が築かれ、東と北は川を障壁とし、内城の敷地面積は約8.3万平方メートルです。

 無錫市文物考古研究所の李光日副所長によりますと、呉家浜遺跡は太湖から直線距離で10キロ余りの所にあります。城郭内は当時、河川が縦横に交錯していて水路が主な交通手段であり、外出時には船に乗り、「水の都」と呼ぶにふさわしい街でした。城郭内ではこれまでに深さ5~6メートルの井戸が99基発見されていて、その数から、城郭内には当時、多くの人が住んでいたとみられます。

 鴻山国家考古遺跡公園の敷地面積は7.5平方キロメートルで、これまでに主に春秋戦国時代の古墳140基余りが確認されています。これまでに発掘された墓で規模が最も大きいものは、戦国貴族の墓である「邱承墩」です。呉家浜遺跡の発見は、呉越文化の研究により多くの実物資料を提供することになります。(c)CGTN Japanese/AFPBB News