【6月14日 People’s Daily】中国工業情報化省、国家開発改革委員会、生態環境省は共同で「鉄鋼業の質の高い発展を促進するための意見書」を発表した。産業構造の合理化や資源の安定供給、技術・設備の高度化を進めることで品質と競争力を高めるとともに、低炭素・グリーン(エコロジー)化を推進して持続可能な開発を目指す。
2021年、大規模・中規模の鉄鋼企業の年間売上高は前年比32.7%の6兆9300億元(約138兆6000億円)に達し、累積利益も59.7%増の3524億元(約7兆480億円)に上った。中国鉄鋼工業協会の駱鉄軍(Luo Tiejun)副会長は「この業績は市場の強い需要だけでなく、鉄鋼業界の供給側改革の成果でもある」と胸を張る。
第13次5か年計画(2016~2020年)の期間中、鉄鋼業界は生産能力を調整し、産業構造のアップグレードを図った。粗鋼の累積生産能力は1億5000万トン以上となり、労働生産性は1人当たり年間527トンから850トンに増加した。
2020年には、業界の主要製造工程のデジタル制御率は65.4%、生産設備のデジタル化率は47%に達した。意見書では、2025年までに主要製造工程のデジタル制御率を80%、生産設備のデジタル化率を55%にすることを目標としている。駱氏は「鉄鋼業界は今後、5Gネットワークや産業用インターネット、人工知能(AI)などを統合し、競争上の優位性を高めていく」と見通しを語る。
第13次5か年計画の期間中、中国の鉄鉱石の輸入依存度は80%に上った。輸入鉄鉱石の価格は上昇しており、鉄鋼業界の安定性が脅かされている。意見書では鉄鉱石の安定供給と価格安定のため、鉄鉱石生産能力の備蓄と生産地域の備蓄制度の確立を提案。また、鉄資源製品や半製品を輸入することで国内のエネルギー消費と炭素排出量を削減し、さらに海外の鉱物資源への投資と開発を増やし、多様な供給源を確保することを求めている。(c)People’s Daily/AFPBB News