10年前に盗まれた古代ローマの大理石彫刻、奪還に成功

04月15日 12:17


古代ローマの大理石彫刻「トガトゥス」を移動させる警察官ら。イタリア警察軍カラビニエリ提供(2021年4月13日公開)。(c)AFP PHOTO /ITALIAN CARABINIERI ART SQUAD / HANDOUT


【4月14日 AFP】イタリア警察は13日、10年前に盗まれた古代ローマの大理石彫刻を取り戻したと発表した。非番の警察官2人がベルギーの首都ブリュッセルの骨董(こっとう)品店で見かけたことが奪還につながったという。

 イタリア警察軍カラビニエリ(Carabinieri)美術品捜査班の発表によると、頭部のない男性の全身彫刻「トガトゥス(Togatus)」は、古代ローマの外衣「トーガ」を身に着けた男性をモデルにしたもので、1世紀に制作された。2011年に首都ローマの邸宅から盗まれた。

 警察官2人が骨董品・アンティーク家具店街として知られるブリュッセル・サブロン(Sablon)地区でトガトゥスを見かけて疑念を抱き、ローマに戻ってから警察の盗難美術品データベースを照合し、行方不明になっている品であることを確認した。

 警察によると、トガトゥスは推定価格約10万ユーロ(約1300万円)。ベルギー当局の協力を得て押収し、今年2月にイタリアに戻した。

 追跡調査で、スペイン人の偽名で活動していたイタリア人美術商が、盗品を保管し、トガトゥスを違法に輸出したとして訴追された。(c)AFP