北京-ハルビン高速鉄道が全線開通 東北振興加速へ

01月25日 11:50


ハルビン西駅を出発した北京朝陽駅行きの高速鉄道列車(2021年1月22日撮影)。(c)Xinhua News


【新華社瀋陽1月24日】中国北京市と黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)を結ぶ京哈高速鉄道が22日、全線開通した。北京-瀋陽間を最短2時間44分、北京-ハルビン間を最短4時間52分で運行する。

 同鉄道は北京市朝陽区を起点に北上し、河北省(Hebei)承徳市(Chengde)を経由して、遼寧(Liaoning)、吉林(Jilin)、黒竜江の東北3省の省都を結ぶ。総延長は1198キロで、設計時速は350キロ。

 中国東北振興研究院の李凱(Li Kai)副院長は、同鉄道が京津冀地域(北京市・天津市・河北省)の協同発展と東北振興の二つの国家戦略の結びつきをより緊密にし、特に東北振興の加速を後押しする大動脈になるとの見方を示した。

 遼寧省西部のカラチン左翼モンゴル族自治県では、北京市の半導体材料メーカー朝陽通美晶体科技が5億元(1元=約16円)を投じて半導体新素材の産業パークの建設を進めている。鉄道の開通に伴い、かつて閉鎖的だった小さな県は一躍鉄道の要衝となった。

 同社の劉文森(Liu Wensen)総経理は「鉄道が開通すれば、カラチン左翼から北京までわずか1時間余りで行けるようになる。それを見込んで投資した」と語った。

 中国は2016年以降、新たな東北振興戦略を打ち出し、全面的な振興、全方位的な振興の実現を強調した。李氏は、東北部には盤石な工業基盤と農業基盤があると指摘。産業モデルの転換と高度化には資金や技術、人材の支えが必要だが、京津冀地域にはその強みがあると語った。(記者/徐揚、丁非白)