拿捕した英船籍タンカーを数日内に解放する可能性、イラン外務省報道官

09月10日 19:49


イラン港湾都市バンダルアバス沖に停泊する英船籍のタンカー「ステナ・インペロ」を監視するイラン革命防衛隊(2019年7月21日撮影)。(c)Hasan Shirvani / MIZAN NEWS AGENCY / AFP


【9月9日 AFP】イラン政府は8日、米国との対立で緊張が高まっていた中ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で7月に拿捕(だほ)した英船籍のタンカー「ステナ・インペロ(Stena Impero)」を、「数日内」に解放する可能性があると述べた。

 イランのアッバス・ムサビ(Abbas Mousavi)外務省報道官は国営テレビで、スウェーデン企業が所有する英船籍のタンカー、ステナ・インペロを解放するための「必要な措置」が「進行中」だと述べた。

 同報道官は、法的手続きの最終段階が進められており、ステナ・インペロは数日以内に解放されるとの見通しを示したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

 英当局は7月、欧州連合(EU)の制裁に反してシリアに石油を輸送していた疑いでイランのタンカー「グレース1(Grace 1)」を英領ジブラルタル(Gibraltar)沖で拿捕した。ステナ・インペロの拿捕は、グレース1が拿捕されたことへの報復と見なされていた。

 ジブラルタルは、グレース1から改名された大型石油タンカー「アドリアン・ダリヤ1(Adrian Darya 1)」がEUの制裁対象国に向かうことはないと保証する文書をイランから受け取った後、8月18日にアドリアン・ダリヤ1を解放した。

 船舶の海上追跡を行うタンカートラッカーズ(TankerTrackers)によると、アドリアン・ダリヤ1は8日夜の時点でシリアの都市タルトス(Tartus)沖にいたが、石油の積み下ろしは行っていなかった。(c)AFP