ブルズが元MVPローズを放出、複数の選手が絡むトレードでニックスに

06月24日 10:58


15-16NBA、シカゴ・ブルズ対トロント・ラプターズ。得点を狙うシカゴ・ブルズのデリック・ローズ(2016年2月19日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Jonathan Daniel


【6月23日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)は22日、2011年にシーズン最優秀選手(MVP)に輝き、ここ数年は膝の故障に悩まされていたデリック・ローズ(Derrick Rose)を複数の選手が絡むトレードでニューヨーク・ニックス(New York Knicks)に放出した。

 昨季のプレーオフ出場を逃しているニックスは、積極的に補強に動いており、ローズのほかにジャスティン・ホリデイ(Justin Holiday)、2017年のドラフト2巡目指名権を獲得。その見返りとしてロビン・ロペス(Robin Lopez)、ジェリアン・グラント(Jerian Grant)、ホセ・マヌエル・カルデロン(Jose-Manuel Calderon)をブルズに放出した。

 ブルズのオーナー、ジェリー・ラインズドルフ(Jerry Reinsdorf)氏は、「デリックのことはよく知っているので、今回のトレードは厳しい選択だった」とコメント。「彼が地元で生まれ育ち、MVPにも輝いたことは周知の事実だが、誰も私のようには彼のことを知らない。彼は素晴しいバスケットボール選手である以上に、とても大きなハートを持った最高の人物だ」

 けがに悩まされている27歳のローズは、2012年のプレーオフで左膝の前十字じん帯を断裂し、2013-14シーズンの序盤には右膝の半月板を断裂した。

 ローズは昨季のブルズで1試合平均16.4得点、4.7アシストを記録しており、ラインズドルフ氏は「彼が残りのキャリアを最高の状態で過ごしてくれることを願っている。シカゴ・ブルズにいる間、コート上やこのコミュニティーで彼がしてくれたすべてのことに個人的に感謝を申し上げたい」と語った。

 ブルズではジミー・バトラー(Jimmy Butler)について、ボストン・セルティックス(Boston Celtics)やミネソタ・ティンバーウルブズ(Minnesota Timberwolves)とトレード交渉していたとされているが、ローズの放出によりバトラーのトレードが成立する可能性は低くなった。

 アトランタ・ホークス(Atlanta Hawks)を経てブルズに加入した27歳のホリデイは昨季、平均4.5得点、1.7リバウンドを記録しており、ニックスはガード陣の強化に成功している。

 ニックスのフィル・ジャクソン(Phil Jackson)球団社長は、ローズ、カーメロ・アンソニー(Carmelo Anthony)、クリスタプス・ポルジンギス(Kristaps Porzingis)の3人の連携で来季はプレーオフ出場を勝ち取ると明言。自身がヘッドコーチ(HC)を務め、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)を擁したブルズ時代や、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)時代のように、このトリオがオフェンスのトライアングルを形成するとしている。

 昨季のニックスはレギュラーシーズンを32勝50敗で終え、3季連続でプレーオフ出場を逃しており、来季はジェフ・ホーナセック(Jeff Hornacek)HCがチームの指揮を執る。

 9月に35歳になるカルデロンは、昨季のニックスで平均7.6得点を記録したが、キャリア最低の4.1アシストに終わった。23歳のグラントは昨季、平均5.6得点、2.3アシスト、ロベスは同10.3得点、7.3リバウンドだった。

 そのほかのチームでは、ホークスが3チームの絡むトレードで、ポイントガードのジェフ・ティアグ(Jeff Teague)をインディアナ・ペイサーズ(Indiana Pacers)に放出している。ペイサーズからは同じくポイントガードのジョージ・ヒル(George Hill)がユタ・ジャズ(Utah Jazz)に放出され、ジャズはホークスにドラフトの全体12位指名権を譲っている。30歳のヒルは昨季、平均12.1得点、3.5アシストを記録している。

 27歳のティアグは昨季、平均15.7得点、5.9アシストを記録し、48勝34敗だったホークスをけん引した。しかし、ファイナル制覇を果たしたクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)に2季連続でプレーオフで敗れている。(c)AFP