1200年前の「みこ」の墓発見、当時の統治者か ペルー

07月06日 06:57


ペルー北部トルヒーヨ(Trujillo)近郊の遺跡で、モチカ文化の埋葬室の発掘作業を行う作業員たち(2013年8月3日撮影)。(c)AFP/DOUGLAS SUAREZ


【8月23日 AFP】南米ペルーで、スペイン征服以前の時代のみこ(女性祭司)の墓が新たに発見された。考古学者らによると、過去20年以上で8回目となる今回の発見は、権力を持った女性たちが1200年前にこの地を支配していたことを裏付けるものだという。

 モチカ(Mochica)とも呼ばれるモチェ(Moche)文化時代のこの女性の遺骨は7月下旬、ペルー北部のラリベルタ(La Libertad)と呼ばれる地域で発見された。

 この地域では、今回の発見を含めて、科学者を驚かせるような発見がいくつかなされている。2006年には、約1700年前に亡くなった、ペルーの最初の女性統治者の1人とみられている有名な「カオの女性(Lady of Cao)」を研究者らが偶然発見した。

 プロジェクトを率いるルイス・ハイメ・カスティーリョ(Luis Jaime Castillo)氏は「女性たちは、この地域で儀式を行っていただけでなく、この地を支配し、モチカ社会の女帝として君臨していたことがこの発見で明らかになった」とAFPに語る。

 カスティーリョ氏は「みこの発見は、今回で8回目になる」と付け加えた。「われわれの発掘で発見された墓は女性のものばかりだ。男性のものは1つもない」

 みこの遺体は「1200年前の見事な埋葬室」の中にあったと同氏は述べ、モチカ人は優れた職人だったことが知られていると指摘した。「みこの埋葬室はL字型で、粘土で作られ、波や海鳥の形をした銅板で覆われている」

 また、首の近くには仮面とナイフがあったと同氏は付け加えた。

 赤と黄色で描かれた絵で装飾が施された墓には、遺骨の傍らに25センチほど土に埋もれた陶器のささげ物(大半は小型のつぼ)があった。

 カスティーリョ氏は「みこと共に埋葬されていたのは、いけにえとしてささげられた子供5人と大人2人の遺体で、子供のうちの2人は乳児だった」と述べ、ひつぎの上に羽毛が2枚置かれていたと話した。

 埋葬室の発掘作業に参加した考古学者のフリオ・サルダナ(Julio Saldana)氏によると、今回の墓の発見は、サン・ホセ・デ・モロの村がモチカ文化の権力者たちの墓地だったことを裏付けるもので、最も印象的な墓は女性たちのものだと述べている。(c)AFP/Roberto CORTIJO