NATO首脳会議閉幕、2014年末以降のアフガン支援方針など確認

05月22日 09:43


米シカゴ(Chicago)で北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の閉幕にあたり記者会見するバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領(2012年5月21日撮影)。(c)AFP/Mandel NGAN


【5月22日 AFP】米シカゴ(Chicago)で2日間の日程で開かれていた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は21日、2013年半ばまでにアフガニスタン側に治安維持の主導権を移すなどとした最終声明を出して閉幕した。 ■2014年末までに戦闘部隊撤退、その後は訓練などで支援  参加したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領らNATO加盟国およびアフガニスタンでの戦争に参加した国の約50人の首脳たちは「首脳会議宣言」の中で、2014年末までに13万人の戦闘部隊を「徐々に、責任ある形で」アフガニスタンから撤退させる計画を承認し、この計画は「撤回できない」とした。  しかし同時に、NATO首脳会議はアフガニスタン政府が同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)を撃退できるよう、アフガニスタン国軍に対する訓練や助言、支援などを主な内容とする2014年以降の計画を立てるよう軍事当局に命じた。  フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が仏軍のアフガニスタン撤退を今年末に前倒しすることを決めたことで、入念に準備されてきたアフガニスタンの出口戦略は揺らいだように見えたが、NATOはフランスから、訓練任務には参加するという言質をとった。 ■治安維持費用 2024年までにアフガンの全額負担目指す  またアフガニスタンでの戦争に参加している各国は、年間41億ドル(約3300億円)の治安維持支援費をアフガニスタンに提供し、アフガニスタン軍の規模をピーク時の35万2000人から22万8500人に削減するという米国の計画も承認した。タリバンは依然として力を失っていないが、NATO関係者は治安状態の改善により、2014年以降はアフガニスタン軍の規模を縮小できると話している。  米国はこの支援費の半額を拠出する意向を示しており、残りは国際社会が負担するとみられている。しかし、首脳会議宣言はこの資金援助は永久に続くものではないという点を明確に述べ、2024年までにアフガニスタンが全額を負担できるようになることを目指し、2015年からアフガニスタン政府の負担額を5億ドル(約400億円)から増やしていくとしている。 ■パキスタンを通る輸送ルート再開は持ち越し  21日夜にはNATO加盟国28か国の首脳と、パキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領ら約30人の世界の指導者が参加して夕食会が行われた。  ザルダリ大統領が参加したことで、パキスタン政府は、2011年11月に米国の誤爆によってパキスタンの兵士24人が死亡して以来閉鎖されている、パキスタンを通ってアフガニスタンに入る輸送ルートを再開する用意ができているのではないかという見方が出た。  輸送ルート再開の交渉はパキスタン政府が国境を越えるトラック通行料の大幅な値上げを主張しているために行き詰っている。首脳会議宣言では、「できるだけ早期の国境検問所の再開を目指して協議を続けていく」とされた。  米軍を中心とするアフガニスタン駐留部隊は現在、兵員や食料、その他の物資輸送を、輸送費が高いロシアや中央アジア、コーカサス地方を通るルートに依存している。 ■米大統領選をにらんで  今回のサミットはオバマ大統領にとって、11月の大統領選に向けて共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事と厳しい選挙戦を戦う前に、自らのアフガニスタン戦争終結への計画に世界の支持が集まっていることを、厭戦(えんせん)気分が広がっている有権者に示す舞台となった。厳しい警備体制が敷かれたシカゴではサミット期間中に数千人がデモを行い、20日には機動隊と反戦を訴えるデモ隊が衝突して逮捕者も出た。(c)AFP/Laurent Thomet 【関連記事】 ・NATO首脳会議開催中のシカゴで反戦デモ、米国NATO軍誤爆問題、パキスタン側が先に攻撃か 同軍は否定