ウガンダ反政府勢力の蛮行告発映画、「真実と違う」と地元民は猛反発

03月16日 19:11


ウガンダ・リラ(Lira)で、反政府勢力「神の抵抗軍(Lord's Resistance Army、LRA)」のジョゼフ・コニー(Joseph Kony)司令官を告発する米団体製作の短編映画「Kony 2012」を見る人々(2012年3月13日撮影)。(c)AFP


【3月16日 AFP】米児童権利団体が制作しインターネットで反響を呼んでいる、ウガンダの反政府勢力「神の抵抗軍(Lord's Resistance Army、LRA)」のジョゼフ・コニー(Joseph Kony)司令官の身柄拘束を訴える動画に、当のウガンダの人びとが猛反発している。ウガンダ国内各地でこの短編映画の上映会を計画していた青少年支援団体は15日、初回上映を見た人々が激怒したため、計画を中止したと発表した。 「Kony 2012」と題された約30分の短編映画は、米児童権利団体「インビジブル・チルドレン(Invisible Children、見えない子どもたち)」が制作したもの。前週公開されて以来、インターネットを中心に大きな反響を呼んでいる。ウガンダではネットへ接続できる人が少ないことから、地元の青少年支援団体「アフリカン・ユース・イニシアチブ・ネットワーク(African Youth Initiative Network、AYINET)」が上映会を計画した。 ■「描かれているのは過去の姿」「実情伝えていない」  ところが13日、同国北部(Lira)で行われた上映会では、映画が始まってすぐに人びとが怒り出し、投石を始めたため上映は中止に追い込まれた。会場に集まった数千人の観衆の多くは、LRAの兵士らに四肢を切断されるなど実際に被害を受けた人たちだった。  AYINETのビクター・オチェン(Victor Ochen)代表によると、集まった人びとは映画の内容について「無神経で、ウガンダ北部の過去の姿しか描いていない」と非難。「なぜ、アメリカの白人の子どもたちを映して、(ウガンダ北部の)地元の人びとが置かれた真の現状を伝えないのか」と口々に批判したという。  上映会計画の中止を発表したオチェン氏は、「どこへ行っても同じ反応だろうと判断した」と説明した。  LRAはウガンダ北部で政府軍と20年にわたって戦闘を続け、民間人の手足を切断したり、子どもを誘拐して兵士や性奴隷にしたとして悪名高い。LRAのコニー司令官は、北部のアチョリ人で構成された反政府組織の実権を1988年に握り、聖書に書かれた十戒に基づく政権樹立を掲げて中央政府に対する抵抗を開始した。  LRAは2006年にウガンダ北部から排除されたが、南スーダンなど周辺国で活動を続けている。国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)は人道に対する罪などでコニー司令官に対する逮捕状を出しているが、身柄はまだ拘束できていない。(c)AFP