「同性愛者より独裁者のほうがまし」 ベラルーシ大統領、独外相らを非難

03月07日 14:29


ベラルーシ首都ミンスク(Minsk)で、独立記念日に開かれた軍事パレードで演説するアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領(2011年7月3日撮影)。(c)AFP/BELTA/NIKOLAI PETROV


【3月7日 AFP】ベラルーシの独裁的大統領、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)氏(57)は4日、ベラルーシの人権状況の悪化をめぐって欧州連合(EU)が制裁を強化したことに対し、同性愛者になるくらいなら独裁者と呼ばれた方がましだと言い放った。  この発言は、ベラルーシへの制裁強化策を推進したポーランドとドイツの外相に対して向けられたもの。ルカシェンコ大統領はベラルーシで開かれた大規模なスキーイベントでこう語った。 「1人はワルシャワ(Warsaw)でもう1人はベルリン(Berlin)に住んでいる。独裁体制について叫んでいた後者の人物だが、私はこう自問したよ。同性愛者になるくらいなら独裁者のほうがましだ、とね」  ルカシェンコ大統領が引き合いに出したのは、ドイツのギド・ウェスターウェレ(Guido Westerwelle)外相。ウェスターウェレ外相は自らが同性愛者であることを公言している。  ルカシェンコ大統領は昨年、ウェスターウェレ外相との会談で「正常な生活を送りなさい」と外相に語り掛けたことがあると明かしている。このときは大統領が後に謝罪したものの、「同性愛者は好きじゃない」と付け加えていた。  旧ソ連の集団農場指導者だったルカシェンコ氏は、一度は米国に「欧州最後の独裁者」と名指されたこともある。ルカシェンコ氏の18年間の統治下で、ベラルーシは外交的に孤立化した。  ベラルーシは前月、欧州連合による制裁の強化を受けてベルギーとポーランドから大使を召還。これを受けて欧州連合側もベラルーシから大使を召還している。  これまで欧米から度重なる制裁を受けてきたルカシェンコ大統領だが、今度は2014年アイスホッケー世界選手権(Ice Hockey World Championship)のミンスク(Minsk)での大会開催が危ぶまれている。熱烈なスポーツ愛好家の大統領にとって、これは深刻な問題だ。  既に新スポーツ施設を首都に建設済みのルカシェンコ大統領は、ミンスクでの開催に確信を持っていると語っている。「ベラルーシは、2014年世界大会をミンスクで開催する資格がある。非常に真剣に準備を進めている」と、ルカシェンコ氏は発言している。(c)AFP 【関連記事】 ◆ベラルーシの「拍手デモ」を警官隊が鎮圧、「蜂起を夢想するな」と大統領 ◆ベラルーシ大統領選、野党候補9人中7人が拘束か