日鯨研と共同船舶、「シー・シェパード」を米国で提訴

12月09日 21:00


オーストラリア・パース(Perth)近郊のフリマントル(Fremantle)沖に停泊する反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd)」の抗議船「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)」号(2011年12月7日撮影)。(c)AFP/ Greg WOOD


【12月9日 AFP】日本鯨類研究所(Institute of Cetacean Research)は9日、共同船舶(Kyodo Senpaku)とともに、反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society、SSCS)」とポール・ワトソン(Paul Watson)代表を米国の連邦地裁に提訴したことを明らかにした。  日鯨研は日本政府の許可を受けて調査捕鯨を実施しており、共同船舶は調査捕鯨船を保有している。日鯨研の発表によると、日鯨研と共同船舶は、シー・シェパードとワトソン代表を相手取り、日本の調査捕鯨船の乗組員や船に危害を与えかねない妨害活動の差し止めを求める訴えを米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)の連邦地裁に起こした。  ワシントン州を拠点とするシー・シェパードは捕鯨を妨害する船を送るなどの活動をしている。近年は酪酸入りの瓶を日本の調査捕鯨船に投げ込むなど、日本の調査捕鯨船団との衝突が激しくなっていた。  国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)の決定によって1986年から商業捕鯨はできなくなったが、例外的に調査捕鯨は認められている。  日鯨研は英文の報道発表で「調査捕鯨は南極におけるクジラ資源の科学的知識の進歩に大きく貢献している」と主張しているが、反捕鯨国やシー・シェパードなどの環境保護団体は、実態は調査捕鯨を隠れみのにした商業捕鯨だと批判している。(c)AFP/Miwa Suzuki