【12月22日 AFP】男子テニスの2009年は、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が史上最高の選手としての地位を固め、故障に悩まされたラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の将来に対する不安が大きくなった年だった。 全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2009)の決勝でナダルに敗れて涙を流し、全盛期は過ぎ去ったとささやかれる中で今シーズンを迎えたフェデラーだったが、史上6人目の生涯グランドスラム(4大大会全制覇)と史上最多となるグランドスラム通算15勝を達成し、世界ランキング1位の座を取り戻してシーズンを終えている。 2009年にフェデラーは、生涯獲得賞金で史上初めて5000万ドル(約45億円)の壁を突破し、ミルカ(Mirka)さんと結婚して双子の娘の父親になった。 フェデラーは「ナンバーワンに戻り、再びナンバーワンでシーズンを終えた意味は大きい。公私ともに自分にとっては信じられない1年だった」と2009年を振り返っている。 ■フェデラーは史上最多のグランドスラム15勝、デルポトロは初優勝を飾る 決勝でナダルを下した5月のムチュア・マドリレーニャ・マドリード・オープン(Mutua Madrilena Masters Madrid Open 2009)でシーズン初勝利を飾ったフェデラーは、苦しみながら記録の数々を成し遂げた。 全仏オープン(French Open 2009)では、大会4連覇中だったナダルが初めて敗北を喫し、このチャンスを生かしたフェデラーが、決勝に勝ち進んだロビン・ソデルリング(Robin Soderling、スウェーデン)を破り優勝した。 同大会でフェデラーは、4回戦でトミー・ハース(Tommy Haas、ドイツ)に2セットを、準決勝ではファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)に1セットを先取されながらも逆転勝利を収め、決勝に駒を進めている。 一方のナダルは、ひざの腱炎(けんえん)に悩まされ、連覇のかかるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2009)の欠場を余儀なくされた。 これにより、2008年にウィンブルドン6連覇をナダルに阻まれたフェデラーへの扉は再び開かれ、大会史上最高の決勝と目されているアンディ・ロディック(Andy Roddick、米国)との試合では5-7、7-6、7-6、 3-6、16-14で勝利し、大会通算6度目、グランドスラムではピート・サンプラス(Pete Sampras、米国)氏の記録を破る通算15度目の優勝を果たした。 2003年のウィンブルドンでグランドスラム初優勝を飾っているフェデラーは「一周して元に戻ったと強く感じている。ここで始まり、ここで終わったんだ。もちろんわたしのキャリアはまだまだ続くが、この記録がピートにとっても、わたしにとってもどれほど大きな意味を持つのかは理解している」と語っている。 全米オープン(The US Open Tennis Championships 2009)の決勝では、フェデラーの優勢が伝えられる中、21歳のデルポトロが1-2の劣勢を跳ね返し、まさかのグランドスラム初優勝を飾った。 ■全豪を制すも、けがに苦しんだナダル 全豪オープンでグランドスラム6勝目を飾ったナダルは、世界ランキング2位で2009年を終え、デビスカップ(2009 Davis Cup)ではスペインの優勝の原動力となったが、シーズン中盤に3か月戦列を離れることになった腱炎により、全仏オープンとウィンブルドンでの望みが絶たれた。 2009シーズンに5勝を挙げたナダルだが、最後の優勝は5月のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2009)までさかのぼることになる。 ナダルはシーズン最終戦のATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2009)で3連敗を喫し、自身の2010シーズンに対する不安の声を一掃することができなかった。 ファイナル後にナダルは「バッテリーが切れたんだ。最高のレベルに戻るためには練習しかない」と語っている。 ■アガシが自叙伝で禁止薬物使用を告白 フェデラーとナダルをはじめ、デルポトロ、同じく若手のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、2010年に向けて準備を整えている。しかし、2009年の男子テニスはアンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏の薬物使用告白を抜きに語ることはできない。 コートの内外で人気を集め、1990年代にテニスの人気を復活させたアガシ氏だったが、現役時代に常習性の高い興奮剤メタンフェタミン(methamphetamine、通称クリスタル・メス)を使用していたことを認め、テニス界に衝撃を与えた。アガシ氏は、薬物の摂取が故意ではなかったと男子プロテニス協会(Association of Tennis Professionals、ATP)に虚偽の証言をしたことも認めている。(c)AFP/Dave James