【8月9日 AFP】エジプトのアンワル・サダト(Anwar Sadat)元大統領の娘ロケヤ・サダト(Roqeya Sadat)さんが、「アンワル・サダト」と名づけられた犬が登場する米国映画のプロデューサーらを相手取り、訴訟を起こした。弁護士が9日、明らかにした。 問題のハリウッド映画のタイトルは「40男のバージンロード(I Love You, Man)」。 劇中で、ジェイソン・シーゲル(Jason Segel)演じる主人公は、似ているからという理由で自分の犬を「アンワル・サダト」と名づけている。ロケヤさん側のサミル・サビル(Samir Sabri)弁護士によると、口頭弁論は9月1日にカイロ(Cairo)の裁判所で行われる。 中東通信(MENA)によるとロケヤさんは、この映画が父親の思い出を汚す「侮辱的」な映画だとして憤慨。「エジプトと中東における(エジプトの)威信も傷つけている」とも主張している。サビル弁護士によると、この映画の公開を許可したという点で、エジプトの通信・情報技術相も訴えたという。 映画自体の内容は、米映画製作大手ドリームワークス(DreamWorks)のジョン・ハンブルク(John Hamburg)監督作品のロマンティック・コメディ。今年序盤にエジプトで公開されたが、現在は同国内ではいっさい上映していない。 ロケヤさんは08年には、父親の前任者である故元大統領ガマル・アブデル・ナセル(Gamal Abdel Nasse)大統領の娘、ホダ・アブセル・ナセル(Hoda Abdel Nass)さんが、サダト大統領はスパイだったと述べた件で訴えを起こし、勝訴している。 故サダト元大統領は、1979年のイスラエルとの平和条約を導いた78年のキャンプ・デービッド(Camp David)合意を結んだ。イスラエルとの平和協定を結んだのはこのとき、アラブ諸国内でエジプトが初めてだった。しかしその3年後、1981年10月6日に、カイロで軍事パレード中にイスラム系過激派の兵士たちに撃たれ暗殺された。(c)AFP