カンヌ映画祭で「Tokyo」がブーム?東京が舞台の2作品が上映

05月23日 14:32


第65回ヴェネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)で、コンペティション部門出品作品『スカイ・クロラ(The Sky Crawlers)』の上映会前に写真撮影に応じる日本人女優の菊地凛子(Rinko Kikuchi、2008年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/DAMIEN MEYER


【5月23日 AFP】第62回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のコンペ部門に出品された20作品のうち2作が東京のネオン街を舞台にしている。仏のギャスパー・ノエ(Gaspar Noe)監督の『Soudain le Vide(Enter the Void)』と、スペインのイザベル・コイシェ監督の菊地凛子(Rinko Kikuchi)主演作『Map of the Sounds of Tokyo(原題)』だ。 ■東京の闇の世界描く、ノエ監督の衝撃作  ノエ監督が以前カンヌ映画祭で発表した作品は激しいレイプシーンで物議を醸し、上映会場では観るに耐えかねて退席する観客が後を絶たなかった。今回の『Enter The Void』も衝撃的な作品として批評家の間で評価が分かれている。  特殊効果を多用した映像が炸裂する本作は、麻薬の売人とストリッパーのきょうだいを中心に東京の夜の裏社会を描く。東洋的な性や輪廻転生の思想を巧みに取り入れた内容となっている。  22日に行われたプレス向け上映会で、報道陣から作品の精神的側面について質問を受けた監督は、「私は完全な無神論者だが、精神的な魂の遍歴を映像で表現することに挑戦することに心を引かれた」と答えている。  3時間におよぶ作品の長さやとりとめのないストーリー、サイケデリックなシーンの繰り返し、執拗で露骨なセックスシーンに不快感を覚える批評家もいた一方、米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は好意的な記事を掲載した。  ■夜明けの東京を舞台にした菊地凛子主演作  夜の東京を描いたノエ監督の作品とは対照的に、コイシェ監督の新作『Map of the Sounds of Tokyo』は夜明け前の東京が舞台だ。  同作は魚市場で働きつつ、殺し屋でもあるという二重生活を送る主人公の女性(菊池)が主人公。彼女が殺しのターゲットの1人と恋に落ちてしまうというストーリーだ。ジャズが流れるなか、魚市場でのマグロの解体作業からパリ(Paris)風のインテリアのラブホテル、カラオケバーなど、カメラは丹念に東京の姿を描き出していく。    だが、22日のプレス向け上映会ではストーリーについていけないなどと非難の声も上がり、拍手もまばらだった。  カンヌ映画祭では例年、最高賞のパルム・ドール(Palme d'Or)を目指して世界トップクラスの監督らがコンペ部門で競い合う。  パルム・ドールの受賞作品は映画祭最終日の24日夜に発表される。ミヒャエル・ハネケ(Michael Haneke)監督の『Das Weisse Band(The White Ribbon)』や、ジャック・オーディアール(Jacques Audiard)監督の『Un Prophete(A Prophet)』が有力視されている。(c)AFP