投票に1か月、インド総選挙始まる

04月16日 21:01


総選挙の投票が行われたインド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州バラナシ(Varanasi)の投票所で投票の順番を待つ女性(2009年4月16日撮影)。(c)AFP/Prakash SINGH


【4月16日 AFP】(写真追加)インド下院議会(定数545)選挙の第1回投票が16日、始まった。 「世界最大の民主制選挙」の有権者は7億人を超え、投票は5回に分けて実施、1か月を要して5月13日に終了する。選挙結果の発表は5月16日。  世論調査では、各政党が単独過半数を確保することは難しいとみられ、また与党連合が崩れ、政権交代の可能性も示唆されている。与党連合内の最大政党・国民会議派(National Congress)と、最大野党のインド人民党(BJP)のどちらも単独で絶対安定多数を確保することはできないと予測されている。  また、すでに選挙絡みの暴力事件が発生しており、東部のジャルカンド(Jharkhand)州で極左武装組織インド共産党毛沢東主義派のグループが、投票所の監視にあたっていた兵士6人を殺害した。  545議席のうち約半数は、各州の地方政党などが占める見込みだが、最終結果を受けて大政党らが連立に動き出してからの駆け引きが注目される。しかし急激な景気後退と、内外の安全保障に関する懸念が高まる中で、統一政策のない連立政権が誕生すれば政権運営の見通しは暗い。  16日の第1回投票は、反政府を掲げる部族や毛派のゲリラ、イスラム武装勢力などの攻撃展開地域も含む北部と東部の州が中心で、有権者数は1億4300人。  有権者の安全を確保するため、5回の投票を通じ、全土に治安要員200万人が動員される。  次期首相に就任する可能性が高いのは、現職のマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相(国民会議派、76)と、これに対抗するBJPの重鎮L.K.アドバニ(L.K. Advani、81)氏で両者ともに高齢だ。  2大政党それぞれの連立以外に実現性のある選択肢としては、「第3戦線」と呼ばれる左派勢力と地方政党の緩やかな連合体が挙がっている。また現在交渉中だが、「最低位カーストの女王」を自認するマヤワティ・クマリ(Mayawati Kumari)氏と第3戦線がさらに連携する可能性も出ている。マヤワティ氏はインド初の「不可触民出身首相」を目指すと公言している。  有権者の多くは自分の属する宗教やカーストに従って投票するか、日々の生活に直接影響する密接な地域問題に即して候補者を選ぶことが予想されるが、インドの財政は過去の雇用対策や破産農民の救済、公務員賃金の引き上げ、景気刺激を狙った減税などで圧迫されており、いずれの政権になってもさまざまな問題解決に乗り出せる余地は非常に限られている。(c)AFP/Elizabeth Roche