カンボジア特別法廷、収容所を撮影した記録フィルムの証拠能力めぐり応酬

02月18日 19:10


カンボジア首都プノンペン(Phnom Penh)郊外にある「キリングフィールド」に建てられた「Choeung Ekジェノサイドセンター」を訪問する外国人観光客ら(2009年2月18日撮影)。(c)AFP/VOISHMEL


【2月18日 AFP】(一部訂正)カンボジアの旧ポル・ポト(Pol Pot)政権下における大量虐殺を裁くカンボジア特別法廷は18日、2日目の審理が行われ、カン・ケ・イウ(Kaing Guek Eav)被告(通称ドッチ=Duch、66)が1万5000人の虐殺に関わったとされるトゥールスレン(Tuol Sleng)収容所の記録フィルムの証拠能力をめぐり、検察側と被告弁護側が激しく対立した。  フィルムは、1979年1月7日、ベトナム軍がプノンペンのクメール・ルージュ政権を倒した後、同収容所を解放した際に撮影したとされるもので、検察側が同日、証拠としての採用を申請した。  これに対し、被告側弁護人は、フィルムはベトナム軍のプロパガンダだとして証拠としての信ぴょう性に疑問を呈した。  検察側が証拠申請したビデオには、高校の校舎の廃屋を転用した収容所で、ベッドの鉄枠に縛りつけられたまま膨れ上がった死体が複数映されるなど、恐怖の光景が記録されていた。また、洗濯物の山の中に隠れて生き残った子ども5人も映されていた。  一方、弁護側は同日、証人申請する氏名リストを提出した。Nil Nonn裁判長は、次回公判の期日を告げずに閉廷を宣言した。裁判所のHelen Jarvis広報担当によると、次回公判は「3月末」に開廷する可能性が高いという。  次回公判からは、証人尋問も行われ、実質的な審理が始まる。(c)AFP/Suy Se