【2月22日 AFP】2006年12月に英国東部サフォーク(Suffolk)州イプスウィッチ(Ipswich)で売春婦5人が相次いで殺害された事件で、イプスイッチ刑事法院の陪審は21日、スティーブ・ライト(Steve Wright)被告(49)に有罪評決を下した。22日に量刑が言い渡される。検察側は終身刑を求刑している。 陪審団は8時間の協議の後、すべての罪状で有罪とする評決に全員一致で達した。評決が言い渡されると、傍聴席の被害者の遺族からは「イエス」と叫ぶ声や、すすり泣く声が聞こえた。ライト被告はまっすぐ前を見ていた。 事件はイプスイッチとその周辺で、当時19-29歳の売春婦5人が相次いで絞殺または窒息死させられ、全裸で発見されたもの。被害者はいずれも麻薬中毒で、うち2人は磔(はりつけ)の姿勢になるよう両腕を広げた状態で発見された。 警察は英国史上最大規模の600人以上の捜査員を動員。被害者3人の遺体から検出されたDNAがライト被告のものと一致したほか、5人全員の遺体から同被告の車や自宅、衣服のものと一致する繊維が見つかったことから、当時フォークリフト運転手でイプスイッチの売春婦の多い地域(赤線地区)に住んでいた同被告を逮捕した。 ライト被告には01年に当時の勤務先だったバーから80ポンド(約1万7000円)を盗んだ窃盗の前科があり、警察のデータベースにDNA記録が保管されていた。 犯行の動機については明らかになっていない。犯行時刻はいずれも、ライト被告のパートナーがコールセンターに働きに行っている時間帯で、検察側は犯行はあらかじめ計画され、被告は被害者を「系統的に選別し殺害した」と主張している。 被告の知り合いの男性は、被告はゴルフ好きの物静かな人物だったと述べている。(c)AFP