フランク・リベリ ドイツでの成功を語る

02月20日 17:32


笑顔で質問に答えるフランク・リベリ(2008年2月12日撮影)。(c)AFP/OLIVER LANG


【2月20日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に所属するフランス代表のMFフランク・リベリ(Franck Ribery)がAFPのインタビューに応じた。  リベリは現在は脚を故障してピッチを離れているが、言葉の壁は自身のブンデスリーガ挑戦にとって障壁にならなかったと言う。  2006-07シーズン終了後にフランス・リーグ1のオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)から移籍金2500万ユーロ(当時約41億円)でバイエルンに入団した24歳のリベリは、加入以来ほとんど時間を無駄にすることなくバイエルンの中盤のリーダーになった。  新たな故郷ミュンヘンで2月はインパクトを残せずにいるリベリだが、故障からの復帰が近づくにつれてその熱い思いは誰の目にも明白に映っている。 ■揺るぎない支持を獲得  街中でリベリは、英雄を崇拝するために巡礼のようにクラブの公開練習に足を運ぶことで知られるバイエルン・サポーターの視線を惹きつけている。ある者はその姿を見つめ、恥ずかしがり屋の少年はベースボールキャップで目を隠しながらリベリに近寄ってサインを求める。自身も認めているようにリベリは恐らくサポーターより内気な性格ではあるが、サインには快く応じている。  8月にスイスとオーストリアで共催される欧州選手権2008(Euro 2008)において間違いなくスター選手の1人であるリベリは「自分に起きたことの全てを静かに受け入れているが、幸運だったことには気づいているよ」と語っている。  バイエルンで過ごした7か月で紛れもなくチーム一の人気者となり、2年間フランス代表に招集され続けているブローニュ・シュルメール(Boulogne-sur-Mer)出身のリベリは「世界で最も偉大なクラブの一つ」に所属する喜びを口にしている。  ミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)やルカ・トーニ(Luca Toni)がゴールを量産しているが、その大部分はリベリの中盤での創造性によって生み出されたものであり、同選手は本拠地アリアンツ・アリーナ(Allianz-Arena)を訪れるファンから揺るぎない支持を得ている。  リベリは自身について「僕のように笑ったり冗談が好きな選手を見たことがないんじゃないかな。単純で普通の人物だよ」と語っている。  毎週行っているレッスンで上達はしているが、リベリはドイツ語が話せないため地元ミュンヘンのスポーツ記者は大慌てで長い間忘れていたフランス語を勉強し直している。 ■新鮮な変化をもたらしたリベリ  2歳の時に両親と乗っていた車の大事故で負った顔の傷が多くの興味を誘い、イスラム教に改宗したことに関する質問が山のように押し寄せているが、キックオフ前にピッチ上で天に祈りを捧げるリベリは「毎日5回祈りを捧げている。そうすることで心が解き放たれ、気分が良くなるんだ」と語っている。 クラブの練習施設で誰かとすれ違う度に挨拶を交わすリベリは「フレンドリーでいるのが好きなんだ。皆にとって大切なことなので、写真やサインに応じるために2分間だけ時間を費やすことが重要」と笑顔で語る。  バイエルン・サポーターは、チームにスター選手が名を連ねFCハリウッドと揶揄されていた時代のサインを断られる雰囲気に慣れており、リベリの加入はサポーターにとっても新鮮な変化となっている。 ■復帰待望の声  思春期に困難な時期を過ごしたリベリは、プロサッカー選手としてのキャリアに日々感謝し、クラブのアイドルであることに満足しており「困難な時期を知っているので、自分に巡ってくるものは受け入れている。父は家族を養うために働き詰めで出かけることもなかった。辛かったよ」と語っている。  バイエルンの上層部やファンは、リベリがハムストリングの故障からできるだけ早く復帰することを望んでおり「リベリのいないバイエルンは、母親のいない子供たちの集団」という新聞のコメントを読んだリベリの顔にはプライドの炎が揺らめいていた。(c)AFP/Yannick Pasquet