トーリ元ヤンキース監督 「インセンティブは侮辱的」

10月20日 13:37


12年間のヤンキースでの監督就任を終え記者会見に臨むトーリ元監督。(c)AFP/Getty Images Michael Nagle


【10月20日 AFP】07MLB、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の提示したオファーを拒否し、12年間の監督就任期間に終止符を打ったジョー・トーリ(Joe Torre)氏は19日、提示されたオファーが侮辱的であったことを明かした。  就任中にプレーオフ進出を逃すこと無くチームを4度のワールドシリーズ制覇に導いたトーリ氏は18日、年俸500万ドル(約5億7600万円)をベースに、ポストシーズンを勝ち抜いた際に各シリーズで100万ドルのボーナス、ワールドシリーズを制覇できれば1シーズン契約を延長するとしたオプションを盛り込んだ1年契約の提示を拒否し、退団していた。  2007年シーズンに年俸750万ドル(約8億7000万円)という他球団の監督の倍以上の金額でヤンキースと契約していたトーリ氏は、プレーオフの結果次第では来季の年俸が800万ドル(約9億1600万円)に上がることになっていたが、「契約条件で1年契約という期間が一番つらいところ。私にとってインセンティブは侮辱的だ」と語った。  ヤンキースは10月8日にア・リーグ地区シリーズでクリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)に敗れ、4年連続でプレーオフでの敗退に終わっている。  67歳を迎えたトーリ氏は2年契約を希望していたが、球団側のオファーが今だに球界最高額には変わりないが、インセンティブという動機付けが必要とされていることに不快を感じたという。トーリ氏は、「契約金は一つの問題。500万ドルは大きいし軽視する気はない。しかし、減給という事実は私の仕事に対して満足していないということだ。私はヤンキースに12年在籍した。動機付けなど必要ない。シーズンごとに新たな気持ちで臨んできた」と語った。  1996年と1998年にア・リーグ最優秀監督に輝いたトーリ氏は、解任の不安を抱えながらの1年は球団にとっても良くないとし、「続投することは私にとって、選手にとっても良いこととは思わない。選手が私の味方であろうとなかろうと、監督解任の危機という余分なプレッシャーは必要ない」と語った。  トーリ氏の退団は、2億ドル(約229億円)を上回るヤンキースの米国スポーツ界の最高年間俸給を誇った一時代の終焉の始まりとなり得る。三塁手のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)は彼の契約上チームを去ることができ、また投手のアンディ・ペティット(Andy Pettitte)と捕手のホルヘ・ポサダ(Jorge Posada) は契約のオプション上望めば退団することができ、投手のロジャー・クレメンス(Roger Clemens)とマリアーノ・リベラ(Mariano Rivera)はフリーエージェント(FA)となる。  トーリ氏は、チームの管理を2人の息子に引き継ぐことを決めたオーナーのジョージ・スタインブレナー(George Steinbrenner)氏との20分間の会談で提示を拒否した。トーリ氏は「あの会談では、多くの人が時間をかけて何らかの計画をまとめ、その計画を遂行しただけのようにしか見えなかった」と語り、球団があえてトーリ氏の納得しないオファーを提示したかどうかは周りの判断に委ねるとし、「交渉などなかった。球団が決めたオファーを変える意思がないという事実に落胆した。あれは交渉ではない。意味があったかどうかもわからない。築かねばならないある程度の信頼関係が必要だ。続投して欲しいと言う人がいたならば続投していた。寛大なオファーであったが、一緒に協力して一つのことを成し遂げるということではなかった。信頼関係は重要だ。解任かどうかを決めるのに2週間もかかれば疑惑を起こさせる。待ち時間がね。医者に行って検査の結果を待っているようなものだ。筋を通さねばならない」と語った。  1996年シーズンにヤンキースの監督に就任したトーリ氏は、就任1年目にワールドシリーズ制しその後1998年シーズンから2000年シーズンにかけて3連覇を達成したが、2001年シーズンにはアリゾナ・ダイヤモンドバックス(Arizona Diamondbacks)に、2003年シーズンにはフロリダ・マーリンズ(Florida Marlins)に敗れワールドシリーズで苦渋を飲まされていた。監督就任12シーズンで1173勝767敗を記録したトーリ氏は「監督就任12シーズンヤンキースで続けられたことを誇りに思う。プロ生活の中で最も面白い時間だったよ。寂しいのは選手と会えなくなることだ」と語った。(c)AFP