【10月10日 AFP】大統領選を来年に控え、米国ではこのところ、子ども向けの政治関連書籍が出版ラッシュだ。それぞれの著者が、リベラルまたは保守派の主張を選挙権のない若い読者に訴えている。 ■「政治教育は好奇心旺盛な子どものうちに」 ジェレミー・ジルバー(Jeremy Zilber)氏は、リベラルに関する入門書『Why Daddy is a Democrat(なぜパパは民主党員なのか)』を来月出版する。ジルバー氏は「両親が政治について自分の子どもに語るのは良いことだ。また、好奇心旺盛な子どものうちに政治に興味を持たせるようにするのは大切だ」と語る。 同氏は以前、『Why Mommy is a Democrat(なぜママは民主党員なのか)』を自費出版し、2万4000部を売り上げたという。この本を共和党員も買っていることが分かっており、ジルバー氏は「幼い子どもを持つ友人に冗談で贈るのにも最適」とジルバー氏は話す。 この本のあるページには、2匹の子リスをしっかり抱き寄せている母リスの挿絵の横に次のように記載されている。「民主党員はいつも私たちを『安全』で包み込んでくれる。ママみたいに」---母リスの隣には、対照的に、のろのろ歩いてあちこちの道をふさぐゾウ。言わずと知れた、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の与党共和党のシンボルだ。 他にも「民主党員はおもちゃを公平に配ってくれる」「民主党員はわたしたち全員が学校に行けるようにしてくれる、ママみたいに」などの言葉が並ぶ。 ジルバー氏は本の売上金の一部を地元の民主党組織に寄付しており、これについて嫌がらせの手紙や脅迫電話が多数寄せられているというが、気に留める様子はない。 ■ピュリツァー賞作家なども参戦 有名作家も子ども向けの政治の本を次々に出版している。 ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)受賞作家のアリス・ウォーカー(Alice Walker)氏は9月に、4-8歳向けの詩集絵本『Why War Is Never A Good Idea(なぜ戦争は絶対に良くないのか)』を出版。 同じく9月には、環境活動家ローリー・デイヴィッド(Laurie David)氏が9-12歳向けの『The Down-to-Earth Guide to Global Warming(地球温暖化に対する実践ガイド)』を、Holly Fretwell氏が『The Sky Is NOT Falling: Why It’s Ok To Chill About Global Warming(空は落ちない:地球を冷やすのがいい理由)』をそれぞれ出版する。 出版社World Aheadのエリック・ジャクソン(Eric Jackson)氏は、こうした本は表向きは子ども向けだが、実は読者層のターゲットは親だという。 同氏は「リベラル派は影響を受けやすい子どもたちに思想を吹聴しようとしている」と批判した上で、次のように語った。「われわれがその手の本を出版する目的は、親が『伝統的な』モラルを子どもたちに伝えることができるような良い本を送り出すことにあるのだ」(c)AFP/Kerry Sheridan