クシュネル仏外相、イラクを電撃訪問

08月20日 09:43


2007年8月19日、バグダッド(Baghdad)の国連現地本部内にある職員犠牲者の慰霊碑を訪問するベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)仏外相。(c)AFP/AHMAD AL-RUBAYE


【8月20日 AFP】ベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)仏外相が19日、イラクを電撃訪問し、ホシヤル・ジバリ(Hoshyar Zebari)外相と会談した。2003年の米国主導のイラク進攻に当時のシラク仏政権が強硬に反対して以来、フランスの高官がイラクを訪れるのははじめて。  会談の前に、クシュネル外相は、ジバリ外相と国連イラク支援団(UNAMI)政治問題担当副特別代表とともに、バグダッド(Baghdad)の国連現地本部を訪問し、4年前のこの日に本部が受けた攻撃で死亡した22人の国連職員に哀悼の意を表した。  22人の中には、クシュネル氏の個人的な友人でもある当時の事務総長特別代表セルジオ・ヴィエイラ・デメロ(Sergio Vieira de Mello)氏も含まれていた。さらに、クシュネル氏が国連コソボ暫定統治機構(United Nations Interim Administration Mission in Kosovo、UNMIK)の事務総長特別代表を務めていたときの同僚3人も含まれていた。  2003年に同本部が攻撃されたことを契機に、国連職員のほとんどはイラクから撤退したが、今月初めになって、米国の圧力を受けた国連安全保障理事会(UN Security Council)は、国連の任務を限定的ながら拡大することに合意した。  「国連はイラクでの役割を拡大すべきか」との問いに、クシュネル氏は、「そう期待するが、それを決めるのは国際社会よりもむしろイラクの国民だ。フランスに関して言えば、国連は大切な役割を果たすべきだと思う」と語った。  1週間前、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は、ジョージ・ブッシュ(George Bush)米大統領と非公式の会談を行っている。これは、米仏関係の改善の兆候とされ、会談ではイラク問題が重要な議題になったと見られている。  イラク進攻前、当時のジャック・シラク(Jacques Chirac)大統領は、反イラク進攻の国際包囲網形成の先頭に立ち、米仏関係は一気に悪化した。(c)AFP