男性へのセクハラが前年度、過去最高に - 米国

10月26日 20:26


写真は、ニューヨークの金融街を歩くビジネスマン(2006年12月21日撮影)。(c)AFP


【ワシントンD.C./米国 15日 AFP】米雇用均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission、EEOC)はこのほど、民間企業における差別に関する調査結果を発表した。それによると、職場でセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の被害にあった男性は、前年度に過去最高に上ったことがわかった。

 2006年度のセクハラ被害の届け出件数1万2025件のうち15.4%は男性によるもので、10年前の11.6%から上昇した。専門家は、男性に対するセクハラの加害者も男性である場合が多いとみる。

 人権団体「Gender Public Advocacy Coalition」のDanny Baker氏は、男性被害者の増加を、被害そのものが増えたというよりも、被害者が積極的に届け出るようになったためと分析する。同氏は、この背景には「届け出をしやすい職場環境になった」「男性が男性に対して行うセクハラが話題に上るようになった」の2つがあるとしている。

 Baker氏によると、「男性が男性に対して行うセクハラ」では、加害者も被害者も普通は異性愛者であるという。

 職場では、男女差を表わす特定の言葉を使うとセクハラと見なされてしまう。例えば、同僚に「女々しい」「ホモ」などと言った場合、その人の性的指向を指摘したからではなく、「男らしさ」の程度を示す言葉を使用したという理由でセクハラとされてしまう。

 EEOCによると、「強引に口説く、性的交渉を要求する、卑猥(ひわい)な言葉をかける、体を執拗(しつよう)にさわる」もセクハラ行為に入る。

 さらに、雇用主に差別されたとする訴えは、前年度7万5768件に上り、2002年以来初めて増加した。うち、いちばん多かったのが人種差別(2万7238件)。以下、報復人事(2万2555件)、年齢による差別(1万6548件)、障害者に対する差別(1万5575件)、国籍による差別(8327件)、宗教による差別(2541件)と続く。

 EEOCのNaomi Earp議長は「職場の差別は、21世紀に入ってもなくならない、根強いものだ。啓発活動と法律の施行、訴訟などの手段をバランスよく使いながら、差別撤廃に向けて尽力したい」との声明を発表した。

 写真は、ニューヨークの金融街を歩くビジネスマン(2006年12月21日撮影)。(c)AFP