元海兵隊員の立てこもり事件、全国生中継 - フィリピン

03月14日 16:49


写真は14日、裁判所の窓から逃走を試みる立てこもり犯のAlmario Villegas容疑者。(c)AFP/ROMEO GACAD


【マニラ/フィリピン 14日 AFP】裁判所に容疑者として出廷した元フィリピン軍海兵隊員が、人質4人を拘束して24時間立てこもった後、14日に突入したフィリピン警察の先鋭部隊により射殺された。国営放送は生中継でこの事件を報じた。 ■犯人射殺、人質は無事救出  事件が発生したのは、マニラ近郊タギグ(Taguig)市郊外にある裁判所。人質解放のシーンでは、数回の爆発の後、黒い制服を来た警察官数人が人質4人のうち2人を救出する様子が放映された。同じく人質となっていた裁判所職員2人は後に、容疑者の交際相手の女性で共犯者とみられるDelia de la Cruz容疑者が逮捕された際、解放された。  事件後、マニラ警察長官のReynaldo Varilla警視正は、「危機は去った。人質は全員無事、亡くなったのが犯人だけで良かった」と声明を発表した。「犯人も含めひとりも傷つけないよう、考えうるあらゆる手段を講じた。しかし、犯人は警官隊に発砲したため、応戦せざるをえなかった」  解放された人質4人は救急車で病院へ移送され、検査を受けた。うち2人は犯人に殴られ、打撲傷を負っていた。 ■元海兵隊員、原告らを人質に  警官隊に射殺された立てこもり犯は、元フィリピン軍海兵隊員で映画のスタントマンなど不定期な職を転々としていたAlmario Villegas容疑者。自身に対する立ち退き勧告に関する審理のため、交際相手の女性とともにこの日、出廷していた。Villegas容疑者の不動産に対し、所有権を主張し、立ち退き裁判を提訴したGina Ramos氏も、人質の1人となった。  警察発表によると、13日に出廷したVillegas容疑者はまず、拳銃と手榴弾を取り出し、Ramos氏を拘束。裁判所職員2人と弁護士1人も人質とした。Villegas容疑者は拳銃を上へ向けて4回発砲し、その間、共犯の女性が人質を上階にある部屋に押し込めた。  2人は、6万2000ドル(約720万円)の身代金を支払うようRamos氏の家族に要求し、支払わない場合にはRamos氏を殺害すると脅迫した。 ■劇的な幕切れ  国営放送で24時間生中継で放映されたこの事件は、警官隊の突入で劇的な幕切れとなった。射殺された犯人が血の海に倒れる様子も放映され、また建物内部に入ろうとする報道陣と警官隊とが建物の外で押し合う風景も中継された。  タギグ市のSigfrid Tinga市長はVillegas容疑者に対し、身代金の要求額の半分で降伏するよう仲介を試みた。同市長によると、Villegas容疑者はいったんは武器の放棄に合意したが、後に再び暴力的になったという。「彼を説得する機会はたくさんあった。しかし我々は、彼が手榴弾を投げるのではないかと懸念していた。彼が再び暴力的になったところで、警官隊が突入した。人質を殴りつける音が聞こえていた」  事件発生中、警察は近所の小学校に予防措置として避難命令を出していた。  捜査は犯人がいかなる手段で法廷に武器を持ち込むことができたかに焦点があてられるだろうとTinga市長は述べた。  写真は14日、裁判所の窓から逃走を試みる立てこもり犯のAlmario Villegas容疑者。(c)AFP/ROMEO GACAD