【ワシントンD.C./米国 6日 AFP】米連邦議会の上下両院で多数を占める民主党(Democratic Party)の指導部は5日、イラクへの米兵員の増派は失敗する、今が戦争を終結すべき時と警告する書簡を、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領に送った。来週発表すると見られるブッシュ大統領のイラク新戦略に、先制したかたちになった。 ■勢いにのる民主党は、米軍の段階的撤退を要求 民主党のハリー・レイド(Harry Reid)上院多数党院内総務、および同党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は、11月の中間選挙で過半数を得たことによる政治力を生かし、ホワイトハウスに圧力をかけている。 ペロシ下院議長とレイド上院多数党院内総務はブッシュ大統領に対し、4か月から半年以内での米軍の段階的撤退を始めるよう求めた。 「4年近くにわたる戦闘で、数千の米兵死傷者を出し、3000億ドル(約35兆円)以上の国費を費やした。今こそ戦争を終結すべき時」と両氏は書簡のなかで指摘する。 「現在の米国の対イラク政策が目標に到達しないとの意志を、米国民は11月の中間選挙で示した。現地に駐留する兵員のためにも、方向転換が求められる」と、書簡は続く。 両氏はさらに、「戦闘部隊の増派は、より多くの米国人を危険にさらすこととなり、戦略的利益をなんら得ることのない軍の一方的拡大となる。現在イラクに展開する米兵は既にその状況に至っている」との見方を示した。 ■タカ派議員からの圧力にも直面するブッシュ政権 暴力と流血で混乱するイラクを救うべく、最後の努力として、米兵員増派に積極的と伝えられるブッシュ大統領は、タカ派色の強いジョン・マケイン(John McCain)米上院議員およびジョゼフ・リーバーマン(Joseph Lieberman)上院議員に、敗北を認めないよう求められ、左右両陣営からの圧力に直面している。 マケイン、リーバーマン両上院議員は、「イラクからの米軍の段階的撤退は米軍とイラクを不必要な敗北に導く」と主張する。 マケイン上院議員は、米国有数のシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(American Enterprise Institute)でのスピーチで、「多国籍軍の増派は、イラク政府に今日まで自ら成し得なかった法の徹底を可能にする力を与える」と強調した。 また、「イラクとりわけ首都バグダッド(Baghdad)に治安を行きわたらせることで、米軍の存在はイラク政府に国内の紛争の和解を促進する可能性をもたらす。戦争はまだ勝利することができる。しかし、勝利するにはすべてを正しく行い、イラク政府もその責任を果たさなければならない」と同議員は力説する。 写真は5日、支持者を前に演説するペロシ新下院議長。(c)AFP/Brendan SMIALOWSKI