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WATCH 2021.1.18 

シャネル/ユニークな2つの表示機構を持つ、シャネル初の自社製キャリバー

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複雑に機能する時計のムーブメントは、もはや小宇宙といっても過言ではない。スーパースポーツカーにとってエンジンが大切なように、時計選びもエンジン=ムーブメントがキモなのだ!

CHANEL(シャネル)/ムッシュー ドゥ シャネル ブルーエディション
自社製CHANEL キャリバー 1. ジャンピングアワー搭載の最新作は、ダイアルをシックなブルーで装った。全体に微粒子が浮かぶような繊細なグレイン仕上げにより、より深い青が表現された。エキゾチックレザーの使用をやめたシャネルは、ストラップにカーフの型押しを採用。ラバー仕上げを施すことで、ダイアルと同じ深いブルーをかなえた。そのバックルは、八角形を象る。世界限定55本。手巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40㎜、30m防水。税別427万円。

ムーブメントは、ブラック仕上げに。各パーツを支えるブリッジはCを、テンプはガブリエル・シャネルが好んだコメット(彗星)をモチーフにするなど、各パーツをアイコニックに仕立てた。

CHANEL

ダイアル6時位置にある八角形のフレームに囲まれた数字が、毎正時に切り替わり時を示す──シャネルが2016年に発表した、初の自社製ムーブメントにジャンピングアワーという特殊な機構を組み込んだのは、香水のシャネル N°5に代表されるメゾンの重要なアイコンである数字を主役とするため。

そしてやや上側にオフセットされた分針は、240度の円弧上で60分をカウントし、瞬時にフライバックするレトログラード式を採用する。これら2つの機構を、設計者は完璧にシンクロさせた。ジャンピングアワーの数字を示すリングの内側には12のスロープを、レトログラード分針にはアームを装備。分針が60分進むと、アームがアワーリングのスロープとスロープの間の段差に落ち、針がフライバックする動きに順応してディスクを動かす仕組みだ。実に合理的で賢い設計である。

このメカニズムを含む、ムーブメントの主要パーツの製作は、凄腕時計師ローマン・ゴティエのアトリエが担う。直径1㎜にも満たないチューブを鋼材から削り出せる高度な加工技術と、切削油の温度まで徹底管理したミクロン単位の加工精度によって、シャネルの自社製ムーブメントの性能は、最大限に引き出される。

文=髙木教雄 写真=近藤正一 スタイリング=仲唐英俊
(ENGINE 2021年1月号)

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