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PLAYING 2021.1.15 

オイルと塩で味わうすしの新潮流 「米菜°(べいさいど)sakura 織音(おりおん)寿し」

コロナ禍に見舞われた2020年も、都心には多くのすし店が誕生。中でもユニークなのが、「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフが考案した「オイル寿し」だ。

すしと料理は1万2000円(税サ別)のコースより。手前から、本マグロの赤身、小肌、アオリイカ。赤身はトマトのエキスでヅケにし、ニンニクオイルを塗って珠洲の塩をふったもの。小肌のオリーブオイルはシチリア産。軽く炙ったアオリイカにはホワイトバルサミコと久米島の白銀塩を使用。

東京・銀座に7月にオープンした「米菜°(べいさいど)sakura 織音(おりおん)寿し」は、世界初の「オイル寿し」の店。オイル寿しとは、イタリア料理店「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが、「ワインに合わせるために考えた」ものだ。誕生のきっかけとなったのは、奥田氏が出張先のイタリアでサーモンのすしにオイルを塗って出した際、スタンディングオベーションの好評を博したこと。「僕は昔から日本の米の価値を上げて世界に広めたいと思っていたのですが、この反応を見てチャンスだと思ったんです。それで、江戸前ずしの聖地で挑戦すべく、銀座に店を出しました」(奥田氏)。

オイル寿しに用いるオイルと塩は、それぞれ10種類以上。オイルは魚の香りに共鳴するものが1カンずつ吟味して選ばれている。たとえばマグロの赤身には、マグロの酸を中和する丸い味のニンニクオイルを使用。塩はマグロの酸と同化する、酸味のある塩がよいため、石川県珠洲の竹炭塩が使われている。酢飯の米の甘みとマグロの風味が生きた握りは、爽やかな味わい。続けてワインを飲むと、後味がぐっと引き締まる。奥田氏によると、ワインの酸味が、すしにつける“醤油”のような役割を果たしているそうだ。

「ノドグロのアクアパッツァ」。
店内はカウンター8席。
「魚の香りはすしと棲んでいる場所によって違う。それぞれの香りに合わせてオイルを選びます」という奥田政行氏。木曜日から月曜日まで銀座で活躍している。ランチ7800円、ディナー1万2000円~。

■東京都中央区銀座6-12-12 サクラマークス銀座612,12F Tel.03-6263-8395
営11:00~14:00LO、18:00~21:00LO 休火曜、水曜
http://www.alchecciano.com/olion-sushi

文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=田村浩章

(ENGINE2021年2・3月合併号)

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