過去13年間分の雑誌記事をWEBで再掲載している連載です。毎週水曜日12時更新。
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箱根を走りました
エンジン・マウントを交換してから絶好調の44号車だ。とろけるような乗り心地が蘇っただけでなく、バイブレーションがなくなり静かになった分、オーディオの音がクリアになった。音楽好きの担当者は嬉しい。今月の走行距離は2100㎞。フォルクスワーゲンの試乗会に行った際、久しぶりに箱根のワインディングを走った。
3ℓ直6の吹け上がりはスムーズで16万5000㎞を超えても衰えません。4000rpmから上でパンチが効くタイプのエンジンだ。とはいえ、最高出力185ps/5700rpm、最大トルク26.5kgm/4400rpmのスペックゆえ、箱根の山道を目の覚めるような勢いで駆け抜けるというわけにはいかない。しかし、コーナリングにおけるロール・スピードやロールの深さが自然で、遅くても気持よく走ることができた。シャープに切れ込んでいくという感じはないが、旋回モードに入ってからの安定感は抜群。荒れた路面のコーナリングでもアゴを出さない。素晴らしい足だ。また、遠くへ行きたくなっちゃいました。
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬
■44号車/メルセデス・ベンツ300TE
MERCEDES-BENZ300TE
購入価格:168万円
導入時期:2008年9月
走行距離:3万4570km+16万5800㎞
2008年にENGINE編集部は「長期テスト44号車」としてメルセデス・ベンツ300TE(1992)を購入。1984年にデビューしたこの124型は「消耗部品をちゃんと交換していけば新車同然の状態で長く使える」と言われた名車で、それを検証すべく連載スタート。購入時の走行距離が3万4000㎞だった44号車は、12年後の2019年に走行距離30万キロを突破し、いまだ現役です。
(ENGINE2013年2月号)