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CAR 2020.11.14 

100%メイド・イン・イタリアのスーパースポーツカー、その名はMC20! マセラティ新時代の幕開け!

古典的スタイルと先進技術

この後、別の場所に移動して、その実車を目の当たりにして、“ああ、これはひと目見て誰もがカッコいいと思うに違いない、典型的に美しいプロポーションとデザインを持ったスポーツカーだ”と私は確信した。フルカーボンモノコックやグラウンドエフェクトを重視したエアロダイナミクスなど、最新のスポーツカーづくりの技術を存分に投入して仕立てられてはいるが、そのデザインは決して未来指向一辺倒ではない。むしろ、クラシックなスポーツカーのスタイルを基本とし、その上にモダンなディテールを被せたような姿になっているのである。

たとえば、真横から眺めてみると、ドライバーズ・シートが、ミドシップ車にしてはずいぶん後ろに位置しているのがわかる。ルーフからなだらかに下がっていく先の、わずかにウイング状の反り返りを持ったテールも長めで、全体的にまるでFRクーペみたいなシルエットだ。スーパーカーといえばキャビンフォワードなレーシングカーに近いプロポーションを持つミドシップ車が多い中にあって、これはむしろGTカーを志向しているように見える。Aピラーの角度をそのまま前方に延ばしていくと、ピッタリ前輪の中心点に行くようになっているのも、古典的な美しいクルマづくりの文法通りだ。

低い位置に大きく口を開けたグリルに象徴されるフロントのデザインは、明らかにバードケージやMC12からインスピレーションを受けている。新しい時代の幕開けといっても過去を切り捨てていくのではなく、むしろ歴史を踏まえながら、それを未来へとつないでいく〈いま・ここ〉を象徴するスポーツカーをマセラティは作りたいのだという意志が、このMC20のデザインには込められているように思えた。

ちなみにマセラティの解説によれば、このクルマの色が塗られたボディ上部はエレガントなスタイルを優先し、カーボン・パーツがむき出しになっていたり黒く塗られていたりするボディ下部は技術的な要求を重視して仕立てられているという。実はボンネットやリア・サイドフェンダーには空気を取り入れるための大きな穴が空いているのだが、それはサイドからではまったく見えないようになっていて、ボディ上部に関しては、あくまでエレガントなクーペスタイルを崩さないように徹底してデザインされているのである。

すべてが合理的に、ほぼミニマルにデザインされたインテリア。メーターはフルデジタルだ。シートはイタリアのサベルト製。センターコンソールのダイヤルはモード切り換えで、GT、WET、SPORT、CORSA、ETC OFFがある。

カーボンモノコックボディの技術設計を担当したのはパルマにあるレーシングカーづくりのトップ企業、ダラーラ。製造はナポリ近郊にあるTTAアドラーで行われるという。すべてイタリアの会社で、オール・メイド・イン・イタリーを謳うゆえんである。クーペ・ボディのほかに今後カブリオレとフルEVが追加される予定で、モノコック・ボディはモジュール式となっており、それぞれのモデルに合わせてカーボンファイバーの配分を変更することで、必要な剛性や耐久性を確保できるようになっているのだそうだ。

ミドシップに縦置きされる“ネットゥーノ”3L V6ツインターボ・ユニット。
リア・フードにはトライデント(三叉の矛)が透かし彫りされている。

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