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CAR 2020.10.14 

【試乗記】メルセデス・ベンツ300TE(1992)との日々♯42 同好の士に会った

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「メルセデス哲学をもった最後のメルセデス」などと形容され1984年にデビューした中型メルセデス124型は、消耗部品をちゃんと交換していけば、新車同然の状態で長く使えると言われていた。それを確かめるべく、2008年、ENGINE編集部は長期テスト車として、92年型の300TEを購入。購入時の走行距離は3万4000㎞、価格は168万円。それから12年後、2019年の走行距離30万キロを突破をきっかけに、過去12年間の雑誌「ENGINE」連載をWEBで公開しています。毎週水曜日12時更新。

44号車と同じ年式のステーションワゴンに乗るオウナーを訪問。実家への往復1000kmのドライブも“疲れ知らず”でいい、という。

同好の士に会った

今月は同好の士を訪ねた。PR会社に勤める岡田威紀さん(33)の愛車は92年型300TE。44号車と同じ年式だ。ちょっと古いメルセデス・ベンツとどんなふうに暮らしているのか? 興味津々で待ち合わせ場所に向かった。ところが、岡田さんの300TEは〝ちょっと古い〟という言葉が当てはまらないぐらい美しかった。44号車をキレイだと思っていた担当者だが、井の中の蛙である。ワインレッドのボディはまるで新車のように輝き、とても20年前のクルマとは思えない。内装はレザー。しかも外装色とマッチしたバーガンディで、とてもオシャレだ。

「アイドリング時にエンジンがブルルッと震える不整脈が気になる」(岡田さん)。44号車も同じなので92年型300TE共通の症状かもしれない。
バーガンディの革シートやウッド・パネルも新車状態。試乗させていただいたが44号車より静かなのが印象的だった。乗り心地はファブリック・シートの44号車のほうがソフトだった。
スーリー社製ヒッチ・メンバーはトレーラー旅行への夢の証。

「子供の頃から憧れていたクルマなんです。いつかは124! って思っていたら、エンジンで長期リポートが始まり、強烈に背中を押されました。いろいろ探していたら、2010年の暮れに知り合いの人が〝僕のはどう?〟って」

走行距離は14万㎞だったが、9万㎞でトランスミッションのオーバーホール、12万㎞でショック・アブソーバー4本交換、13万㎞で前ブレーキをSL(R129型)のものに交換したなど、きちんとした履歴が残っていたので、購入を決意した。

「走り出しにちょっと重ったるい感じがしましたが、スピードに乗ってからは動きがとてもスムーズで、乗り心地も上質。さすが〝最善か無か〟のベンツだと思いました。想像以上に室内は広かったし、トランクも大きいので家族にも好評です。荷物やお土産を積んで滋賀県の実家へ行くのに重宝してます。往復1000㎞が苦にならないのもすごい」

1年半で走った距離は6000㎞。走行距離が少ないのには理由がある。岡田さんは自動車雑誌の編集部に勤務していたこともある大のクルマ好きで、300TE以外にポルシェ911タルガ(80年型)、ルノー25バカラ(90年型)、日産セドリック・バン(91年型)、シボレー・アストロ(91年型)も所有している。

「いいね!って言われるのはポルシェと300TEぐらい(笑)。買い替えのサイクルは短いほうですけど、300TEはずっと持ち続けると思います。素晴らしい実用車ですから」

キャンプも趣味だという岡田さん。カシータというアメリカ製トレーラーを購入した。これを300TEで牽引し、小学生の息子と旅をしたいと思っている。ミニバンじゃ得られない体験が待っているに違いない。


文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬

44号車/メルセデス・ベンツ300TE
MERCEDES-BENZ300TE
購入価格:168万円
導入時期:2008年9月
走行距離 3万4570km+14万7777㎞

(ENGINE2012年6月号)

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