ENGINE WEB

CAR 2020.9.16 

【試乗記】メルセデス・ベンツ300TE(1992)との日々♯38 2回目の車検を受けました 弱いところが見つからない

初回から読む

長期リポート艦隊の長距離ランナー、W124を愛するメカニックの手で整備を受けました。

「メルセデス哲学をもった最後のメルセデス」などと形容され1984年にデビューした中型メルセデス124型は、消耗部品をちゃんと交換していけば、新車同然の状態で長く使えると言われていた。それを確かめるべく、2008年、ENGINE編集部は長期テスト車として、92年型の300TEを購入。購入時の走行距離は3万4000㎞、価格は168万円。それから12年後、2019年の走行距離30万キロを突破をきっかけに、過去12年間の雑誌「ENGINE」連載をWEBで公開しています。毎週水曜日12時更新。

2年間で6万4500㎞!

44号車が編集部にやってきて2回目の車検を受けた。この2年間で走った距離は6万4500㎞!地球1周は4万㎞。本当によく頑張った44号車である。メインテナンスはエンジン・オイル交換7回、フロントのブレーキ・パッド交換2回、そしてタイヤおよびワイパー・ブレード交換を1回行っている。消耗品のほかには、経年劣化したベルト・テンショナーと、エアコンのエキスパンション・バルブを交換した。

08年9月、走行距離3万4000㎞で編集部にやってきた。10万㎞以上走行したので表彰の申請をしたいと思う。

さて、走行距離13万8435㎞で受けた今回の診断で「早急に対応が必要」と指摘されたのは、エンジンとトランスミッションのオイル漏れである。東京・芝浦のヤナセ東京支店の工場内でリフト・アップされた44号車を見上げると、オイル・パンもトランスミッションのオイル・ホースもベタベタだった。また、プロペラ・シャフトのジョイント・ディスクにもガタが出ているという。エンジンのヘッド・ガスケット交換が最も手間のかかる作業で約15万円の出費となった。痛い。

トランスミッションのオイル・クーラー・ホースには茶色のオイルがベッタリ。
ジョイント・ディスク(コンパニオン・プレート)も経年劣化でガタついていた。

「14万㎞ですから、まだまだこれからです。早めの手当てで100万㎞を目指してください」

そう言うのは、メカニック出身で現在は整備課長の高橋健司さん。メルセデス・ベンツの整備部門一筋32年のベテランだ。

W124型メルセデス・ベンツの弱点ってなんですか? どういうところに気をつければ、この先も長く乗り続けられるんでしょうか?

「う~ん。弱点ですか。おい、W124って弱点ないよなあ!」

高橋さんが声をかけた先には44号車の整備作業をしている橋本英幸メカニックがいた。二人とも声をそろえて弱点はないと言う。

「特にここが弱いというところはないです。どの部品もライフ・サイクルが長い。壊れないのがまさにW124の長所です」(高橋)

「経年劣化した部品を交換していれば、大打撃に会わない。古いクルマですから暖まるまでは、急な操作はしないほうがいいですけど」(橋本) 

両メカニックの発言に説得力を持たせたのは愛車だ。なんと、ふたりともW124型メルセデス・ベンツに乗っている。92年型260Eに乗る高橋さんも、94年型400Eを愛する橋本さんも、購入理由は〝壊れないから〟。特に担当者のように高速道路を頻繁に使って、たくさんの距離を走る人にはうってつけだという。お墨付きをもらったようで嬉しい。

高橋健司さん(右)と橋本英幸さん(左)。ふたりともW124のオウナーだ。日本の道路にちょうどいい大きさだという。

それにしても44号車の整備をするメカニックがW124を愛するオウナーだなんて、これほど心強いものはない。やはり野に置けれんげ草。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬

44号車/メルセデス・ベンツ300TE
MERCEDES-BENZ300TE
購入価格:168万円
導入時期:2008年9月
走行距離 3万4570km+13万8435㎞

(ENGINE2012年2月号)

総合アクセスランキング

最新の人気記事

CAR トップへ