2020.07.11

LIFESTYLE

丘の上の巨大なオブジェは本当に住宅なのか?「土地の条件が厳しいと、逆に面白い家ができる」と言う建築家のアイディアが凄すぎる!!

丘の上に忽然と現れる巨大なオブジェ

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敷地と道路の境界に門や塀などの遮るものがない不思議な外観の大口邸。巨大な箱のなかは一体どうなっているのかと思いきや、あっと驚く空間が広がっていた。雑誌『エンジン』の人気企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、閑静な住宅地に忽然と現れる巨大なオブジェのような家を紹介。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

そもそもここは本当に住宅なのか?


ちょっと不思議な外観の住宅である。まずなにより、敷地の境が曖昧で、門や塀などは存在せず、芝生の向こうにいきなりこの建物が建っているのだ。外部に使われている素材も、ガルバリウムとすりガラス。道路側から眺めると、窓や扉が存在しないため、無機質な雰囲気がより強調されている。もっとも扉の代わりに2枚のシャッターがあり、そこから道が公道に向かって伸びているので、車庫を2つ備えているのは想像がつく。だが、一方のシャッターの前は、上の写真のように4m近くも上部がせり出した構造である。「一体内部はどうなっているのか」「住人はどんな人か」「そもそもここは本当に住宅なのか」誰もが多くの疑問を持つことだろう。



この家を設計した布施茂さんが、「土地の条件が厳しいと、逆に面白い家ができることが多い」と話す通り、個性的な家が誕生したのには立地が深く関係している。

このお宅があるのは、小高い丘の頂上に位置する閑静な住宅地の外れ。土地は直角三角形の変形地だったためか、手つかずのまま残されていた。南は木々が生い茂った傾斜地で、西は児童公園。双方の土地に家が建つ可能性が低いことを利用し、家は南と西の隣地に接する敷地の端に建ち、窓は住宅街の方向ではなく、木々の緑が見える側に巨大なものが配された。外観からは想像できないが、「眺めの良い」家でもあるのだ。

個性的な家ができる条件としてよく挙げられるのが、「施主の個性」である。未来的なスタイルで国際的に知られる建築家の布施さんに設計を依頼したのは、堅い会社に勤めるサラリーマンの大口祐介(43)さん。クリエイティブな仕事に就いている訳ではないが、独自の美的センスの持ち主で、家やインテリア、趣味の写真、そしてカーライフに至るまでそれが表れている。

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