2020.03.07

LIFESTYLE

2020年、新天地でスタートを切った注目のフレンチ・シェフ1 銀座「ル・シーニュ」

リゾート地から銀座へ進出した上野宗士さんと、銀座の人気店を卒業し、青山で新店を立ち上げた信太(しだ)竜馬さん。食通に話題の新店を指揮する2人の実力派シェフの個性に注目?
旬のアスパラガスとモリーユ茸を生かした「何か生まれそうな気がする」。繊細なパンのチップをのせたメレンゲにナイフを入れると、中から半熟の卵黄が流れ出る。それをジュ・ド・モリーユと生クリームのソースに混ぜて野菜につければ、きっと幸福感が生まれる。

この冬、東京の食通の間では2軒のフランス料理店が話題となっている。そのうちの一軒「ル・シーニュ」は、12月に銀座に誕生したカウンターフレンチ。エグゼクティブ・シェフの上野宗士さんは、巨匠アラン・デュカス傘下で長く腕を磨いた料理人だ。


「ル・シーニュ」という店名は、前職のアゴーラ・ホスピタリティーズのリゾートのひとつ、旧軽井沢ホテルのメイン・ダイニングから引き継いだもの。店名だけでなく料理のスタイルも当時と変わらず、国内外の厳選素材を生かし、料理を介したアートを五感で楽しませてくれる。ただし拠点が「森から都会へ」変わった分、皿の上にも都会的な要素が増加。


たとえば軽井沢では「雪どけ」「芽吹き」「春がちかづいた」と題した3品で春の季節感を表現したが、銀座では「銀座3-7-3」「TOKIOの空を飛ぶ!?」「272.4 メートル上昇」などの約10品で街を表現。


謎めいたネーミングから内容を想像する ことは難しいが、たとえばキャビアを豪 快に使うような"銀座っぽさ"も組み込 まれる。そんなシェフの料理を愛するソムリエのワイン・ペアリングも、いかにも銀座でブレイクしそうだ。


フランス産仔羊のロースト。生の蕪と加熱した蕪の実、蕪の葉のピュレ、ニンニクのピュレ、マデラワインとトマトの香りをつけたジュ・ダニョー(仔羊の肉汁)と共に。
エグゼクティブ・シェフの上野宗士さん。
店内はカウンター8席。店名は仏語で「兆し」の意。

●「ル・シーニュ」

東京都中央区銀 座5-4-15 西五ビル 6F  Tel.03-3571- 0005
営18:00~20:00 LO 日曜 定休、その他不定休あり
料理は2万4000円のコースより。


文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=田村浩章


(ENGINE2020年4月号)


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