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CULTURE 2020.1.5 

映画になったイギリスの人気テレビ・シリーズ『ダウントン・アビー』

世界中のお茶の間を熱狂させた『ダウントン・アビー』が映画になって戻ってきた。オリジナル・キャストが勢ぞろいしたファン必見の作品だ。

映画『ダウントン・アビー」のキャスト。テレビ・シリーズの最終回で描かれた1925年から2年後の物語が描かれる。

世界200カ国以上で放映され、日本でも多くのファンを持つイギリスの人気テレビ・シリーズ『ダウントン・アビー』。20世紀初頭のヨークシャーを舞台に、グランサム伯爵を当主とする名門クローリー家の人々と、彼らに仕える使用人たちの人間模様を描いた物語は、イギリスのテレビドラマ史上、最も成功したシリーズのひとつと称賛されている。その『ダウントン・アビー』が終了して4年。シリーズの生みの親であるジュリアン・フェローズが脚本を手掛けた、ファン待望の映画が完成した。  

クローリー家の長女メアリー(ミシェル・ドッカリー)と、亡くなった三女の夫ブランソン(アレン・リーチ)。

テレビ・シリーズの続編に当たる映画では、時の国王、ジョージ5世と王妃メアリーの来訪により、パレードや晩餐会の準備に追われるクローリー家の騒動が描かれている。温厚なクローリー夫妻に、長女のメアリー、次女のイーディス、祖母のバイオレット、そして元執事のカーソンなど、お馴染みの顔ぶれが一堂に会しているが、映画版でとりわけ印象を残すのが、クローリー家の亡くなった三女の夫、ブランソンと、執事に昇格したトーマスである。かつてクローリー家のお抱え運転手だったブランソンと、ゲイのトーマスに光を当てたエピソードは、貴族が栄華を誇った一時代の終わりと同時に、平民時代の幕開けを予感させるものである。またメアリー王妃の侍女を務めるモード・バッグショーなる女性が今回、新たに登場。クローリー家と血縁関係にある彼女が、自分の資産をすべてメイドに譲ろうと決意したことが、バイオレットとの間に軋轢を生みだしてしまう。
テレビドラマの映画化作品は、スクリーンの大きさに耐えない、チープな印象を与えるものが多い。だが、もともとのテレビ・シリーズが映画に負けないクオリティでつくられていたせいか、本作には劇場でゆったりと鑑賞したくなるような、華やかさと気品が満ち溢れている。テレビ・シリーズのファンにとってはまさに心躍る、最高のプレゼントともいうべき作品だ。 

 
クローリー家の家長であるグランサム伯爵(中央、ヒュー・ボネヴィル)と、皮肉屋の母、バイオレット(左、マギー・スミス)。
艶やかなクローリー家の女性たち。左から次女のイーディス(ローラ・カーマイケル)、母親のグランサム伯爵夫人(エリザベス・マクガヴァン)、長女のメアリー。
クローリー家に仕えるお馴染みの使用人たち。映画では国王夫妻の従者たちと対立する。

2020年1月10日(金)、TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー 
配給:東宝東和 122分
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文=永野正雄(ENGINE 編集部)

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