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CAR 2019.11.24 

BMW 3シリーズにどこまで迫ったか? 大人のクルマを目指すマツダ

アテンザ改めマツダ6となった旗艦モデル。その最上位モデルをBMW330iと比べてみた。マツダ6はどこまで迫ることができたのか。

マツダ6 25T Package vs  BMW 330i M Sport 写真=神村 聖

マツダ6 25T Package vs  BMW 330i M Sport 写真=神村 聖

アテンザの車名がマツダ6に変わった。これを機にガソリン・エンジンSKYACTIV-Gの4気筒2.5ℓターボ・エンジンを追加投入した。比較の相手はこのクラスの試金石ともいうべきBMW330i・Mスポーツ。フル装備で430万円強のマツダ6に対し、BMW330iの試乗車はオプション込みで約800万円。価格差は大きいが内容では同クラスといっていい2台だ。

ちょうど日が暮れて、ボディ・ラインが強調されるタイミングで出会ったマツダ6の思わぬ美しさにちょっとドキッとした。最近流行の「やたらに厳つい顔」路線とは一線を画するマツダ・デザイン。悪くない。エクステリア同様、落ち着いたデザインのインテリアは想像した以上に上質な仕上がりだ。

魅力はきめ細やかな作り込み!

好ましい印象は、走り出しても崩れることはなかった。街を走り出した時の、40㎞/h以下の低速域の荒れた路面では乗り心地に少し硬さを感じたが、こうした場面でも遮音性の高さには感心した。プレミアム・クラスに静粛性は不可欠だ。そこに一役買っているのが、このクルマの良さの肝とも言えるエンジン。SKYACTIV-Gの2.5ℓターボは230psと最高出力は控え目だが、低回転からしっかりトルクを発生していて、そのトルクがあるからこそといえる静かで穏やかな走りが実現され、踏めばかなり速い。しかも荒々しさとは無縁なのが好印象。変速機の多段化が進むなか、これは6段ATだが、広い回転域で充分なトルクを発生するエンジンを搭載するこのクルマにとって、頻繁な変速を伴わない変速機は、むしろ好都合だ。

都会の市街地走行でもうひとつ重要なポイントはブレーキ性能。街中なので耐フェード性能とかそういう話ではなく、時速5㎞/hから穏やかに停止出来るかどうかという話。今、これが上手に出来るクルマが意外に少ないのだが、マツダ6は完璧。ポイントはアイドリング・ストップ機能のセッティング。筆者の周囲では、不快だからアイドリング・ストップをOFFにしているというドライバーが少なくない。少しでも速いタイミングでエンジンを停止させたい気持ちは分かるが、この機能は使ってもらわないことには意味がない。その点、マツダ6のアイドリングがストップするのは停止直後。絶妙なタイミングでスッとエンジンを停止する。

些細なことばかりと言われてしまうかもしれないが、このマツダ6は、些細なことに目を向け、一つ一つを丁寧に作り込んだクルマであると感じた。メーターだってセンター部分のみをモニターとして表示する内容を選択できるが、派手な演出はなく、例えば時速100㎞で走行していると、80-120㎞/hまでのエリアが明るく表示される。必要な情報を自然と見やすく提供してくれる優れたデザインだと思う。

他にも、ヘッドライトがしっかり明るくて、ハイビーム時には先行するクルマが居てもサイドだけは明るく照らしてくれるとか、アダプティブ・クルーズコントロールやレーンキープ・アシストの制御が快適だとか、フロントとリアのシートがデザインも表皮の材質も同じでも、リアシートはちょっとソフトに作られているとか、リアにまでシート・ヒーターが装備されているとか、クリアランス・ソナーが作動すると同時に必要な方向をモニターに映し出してくれるとか、とにかく、ちゃんと走らせて、走らせて、走り込んで仕上げられたクルマであると感じる。

高速やワインディングを走ってもその印象は変わらなかった。それは、価格差の大きいBMWと較べても遜色はないどころか勝っている部分も沢山ある。市街地で扱いやすさが光ったエンジンは、アクセル開度に忠実にパワーを発揮。踏んだだけ加速をして、微妙なアクセル・コントロールにも正確に付いてくる。総じて、こけおどしのない優れて大人好みの仕立てだ。高GのコーナリングともなるとMスポーツにオプションのスポーツ・サスペンションまでが装着されたBMW 330iの本領発揮だが、それはキャラの違いレベルと言えよう。マツダ6が歩み始めた新たなマツダ・スタイルに感じたのは、きめ細やかで丁寧なクルマの作り込み。この道を進めば、マツダの未来は明るい。

マツダ6 25T Sパッケージの室内。奇をてらわないオーソドックスな造形だが、走らせてみると、細部にいたるまでよくよく吟味されて、丁寧に作り込まれていることが分かる。質感も高い。

BMW 330i Mスポーツの室内。全面液晶表示になったメーターパネルなどに、従来路線から離れて新しい方向性の模索が感じられる。全体的に質感は高いが、少しきらびやかにもなった。

■マツダ6 25T Sパッケージ
駆動方式:フロント横置きエンジン前輪駆動 全長×全幅×全高:4865×1840×1450㎜ ホイールベース:2830㎜  トレッド 前/後:1595/1585㎜  車両重量:1570㎏  エンジン形式:直列4気筒DOHC 16V直噴ターボ過給  総排気量:2488cc  ボア×ストローク:89.0×100.0㎜  最高出力:230ps/4250rpm  最大トルク:42.8kgm/2000rpm  変速機:6段AT  サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク  ブレーキ前/後:通気冷却式ディスク/ディスク  タイヤ 前/後:245/35RZR19Y/265/35R19Y  車両価格(10%税込):431万7500円

■BMW 330i Mスポーツ
駆動方式:フロント縦置きエンジン後輪駆動  全長×全幅×全高:4715×1825×1430㎜  ホイールベース:2850㎜  トレッド 前/後:1585/1570㎜  車両重量:1630㎏  エンジン形式:直列4気筒DOHC 16V直噴ターボ過給  総排気量:1998cc  ボア×ストローク:82.0×94.6㎜  最高出力:258ps/5000rpm  最大トルク:40.8kgm/1550-4400rpm  変速機:8段AT  サスペンション前/後:ダブルジョイント・ストラット/マルチリンク  ブレーキ 前/後:通気冷却式ディスク/通気冷却式ディスク  タイヤ 前/後:225/45R18/255/40R18  車両価格(10%税込):644万円

文=大井貴之 写真=神村 聖

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