ENGINE WEB

CULTURE 2019.11.1 

エルメスによる「夢のかたち」

バッグからジュークボックスまで、エルメスがつくったスペシャルオーダーのオブジェをまとめた展覧会が11月1日より東京・六本木で開催される。中でも注目は、エルメスがインテリアを手掛けた1935年式のヴォワザンC28アエロスポールだ。

エルメスがスペシャルオーダーを手がけていることを知っている人も多いだろう。そこから生まれた遊び心あふれる「オブジェ」を集めた展覧会が始まる。11月1日から六本木ヒルズノースタワーで開催される「夢のかたち Hermès Bespoke Objects」だ。

©Nacása & Partners Inc.

エントランスを抜けるとオレンジのトンネルの奥に「What is your dream?」のメッセージが現れ、来場者が夢を絵に描くと、自動的に壁に投影される。アトリエを再現したスペースの奥には戸棚が並び、引き戸を開けるとスペシャルオーダーにより生まれたバッグが飾られる。中に収まるのは鼓やレコードなど。別の部屋にはりんご用バッグ!まであった。サーフボード、カヌー、テーブルサッカー、ジュークボックスなど、さまざまなジャンルにエルメスの美意識を吹き込んだオブジェを見ながら進む。石垣や障子で和をイメージした間に置かれた人力車は、車体からフランスで製作したという。

そして次の部屋には、1935年式ヴォワザンC28アエロスポールが展示してあった。

©Nacása & Partners Inc.

飛行機メーカーとして生まれ、第一次世界大戦後、クルマづくりに進出したヴォワザンは、空の世界で培った空力理論や軽量設計を投入し話題を集めた。C28アエロスポールはその発展形で、生産台数は数台レベルに留まる。オーナーはフランスのコレクターで、レストアの過程でエルメスにインテリアの仕立てを依頼したという。

アルミを用いたボディ・サイドやフェンダーは翼型で、キャビンはキャノピーのように小さい。時空を超えた造形だ。エルメスが手がけたインテリアは、シンプルだからこそハイクオリティが実感できる。異なるフランスらしさがひとつに融合することで、かけがえのない世界を作り出していた。

周囲の壁にはパリや東京などの風景が映し出され、エルメス仕立てのヴォワザンでドライブしているような気持ちにさせる。3.3リッターのスリーブバルブ式直列6気筒エンジンとプリセレクター式トランスミッションが織りなす走りを、エルメスのレザーシートに身を委ねつつ味わってみたいという思いに駆られた。

©Nacása & Partners Inc.
©Nacása & Partners Inc.
©Nacása & Partners Inc.
©Nacása & Partners Inc.
©Nacása & Partners Inc.

「夢のかたち Hermès Bespoke Objects」 2019年11月1日(金) ~ 17日(日) 10:00~20:00 (最終入場 19:30)六本木ヒルズノースタワー 1F & 2F 入場無料 会期中無休

文・写真=森口将之 写真=エルメス
 
 
 

CULTURE トップへ