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PLAYING 2019.10.16 

ヴェネトの至宝 “アマローネ” 造りを極める名門マァジのワイナリーへ

イタリア屈指のワインの産地、Valpolicella(ヴァルポリチェッラ)を拠点とする、ヴェネト州最大のワイナリー「MASI」(マァジ)。西にガルダ湖、東にアドリア海があり、1年を通して温暖な気候。とくにガルダ湖畔の東側は、湖から反射する夕日の恩恵を受けることから「最高の畑」と称されている。湿度は高めで、地面からの湿気を避けるため、 木の高めの位置にブドウが実るよう剪定されているのが特徴的だ。

「Masi Agricola」(マァジ・アグリコラ)/ワイナリー見学ではアマローネの製造工程をたどることができる。テイスティングも可能。詳細は下記HPをご覧ください。

マァジの代名詞となっているワインが「アマローネ」。収穫から約4ヶ月間ブドウを陰干し、貴腐菌の作用も得て、ブドウが凝縮するとともに滑らかさが増す--。“アパッシメント”という伝統的な製法で、マァジは研究を重ねながら、この製法を進化させてきた。30年前には、いち早く温度・湿度を管理するコンピューターを取り入れ、最適な陰干し方法のデータ化に成功しているという。

アマローネ造りのための、ブドウの陰干し用の棚。約4ヶ月間の陰干しで、ブドウの重量は約35%減って香りと糖度が増す。棚は収穫直前のスタンバイ中。
マァジではオークやサクラ、アカシア、クリなどの木材で樽熟成の研究をしている。こちらは5万5000lも入る巨大樽。

マァジを率いる7代目、Alessandra Boscaini(アレッサンドラ・ボスカイーニ)さんに、ワイン造りの研究を続ける理由について伺った。
「ローマ時代から様々なワイン造りが試されてきました。そこには先人の知恵と土着のブドウ品種があり、その伝統を守ることは大事です。ただ時代に合わせて新しい技術を導入して、変化し続けることも必要です。今はデキャンタージュが必要なほどの重いワインは好まれていません。よりエレガントさを求められているので、それに応えなければなりません」

マァジのワインは赤白ともに、口に含んだときの当たりが柔らかで、全体的に優しいイメージがある。COSTASERA AMARONE(コスタセラ アマローネ)も、濃密な味わいだが雑味はない。滑らかにすーっと身体に染み込んでくるような、滋味深さを感じる。そんな感想をアレッサンドラさんに話してみた。

[写真左]から「コンテ・フェデリコ・ブリュット・ミッレジマート」マァジ社がパートナー契約するトレントのワイナリーのスプマンテ。「ローザ・デイ・マァジ」50日間陰干ししたワインを15%使用する絶妙なバランスのロゼ。「ブローロ・カンポフィオリン・オロ」特別畑、カンポフィオリンのブドウをよく焼いたオーク樽で熟成している。「“コスタセラ”アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」夕日をのぞむガルダ湖畔の“最高の畑”で収穫されたブドウから造られるアマローネ。

「ワインから優しさが感じられるのは、ヴェネト・ワインの特徴なのです。温暖で湿度高めな気候、石灰質土壌の上に赤土が混ざっている地質からくるものです。アマローネは、その特徴をより良く際立たせたワインなのです」
取材の日は、収穫直前の最も忙しい時期。それでもアレッサンドラさんは丁寧に質問に答えてくれた。ちょうどマァジのワインと同じ優しい雰囲気で。
「収穫の時期は忙しいですが、ブドウが実った畑はとてもきれいなので幸せな気持ちになれます。グランパとブドウ畑で遊んでいた子供の頃から大好きな季節なんです」

「Masi Tenuta Canova」(マァジ・テヌータ・カノヴァ)は、オリーブの木に囲まれたカジュアルな雰囲気のリストランテ。オープンテラスの席も多くあるので、天気のいい日はぜひテラスへ。マァジ社のほとんどのワインをグラスで楽しむことができる。ワインができるまでのストーリーを大樽の中で体感できる展示コーナーがあったり、ワインショップも充実している。

生ハムの盛り合わせと、ガルダ湖で獲れた白身魚を使ったラヴィオリ。素朴なヴェネト料理が味わえる。

文=山元琢治(ENGINE本誌)   写真=増田岳二  協力=日欧商事

◇「Masi Agricola」(イタリア語・英語)
     https://www.masi.it

◇「Masi Tenuta Canova」(イタリア語・英語)
     https://www.masi.it

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