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CAR 2019.9.30 

エンジン中古車探検隊が行く! ルノーの2ドア・ミニバン、アヴァンタイムを探せ!

どこからどう見ても快適そうなミニバンなのに、ドアは2枚しかないというアヴァンタイムの出物があると聞きつけた探検隊一行。ところが向かった先の埼玉にあるルノー正規ディーラーには、超スパルタンな2ドア・モデルも鎮座していた。

RENAULT AVANTIME & SPORT SPIDER
圏央道・入間ICからクルマで15分ほど、所沢入間バイパス沿いにあるルノー所沢。店舗の裏手にあ る車両撮影用のスペースにお目当ての2台が並んでいた。

ウエダ 今回の弊誌特集はラテン系のクルマでまとめることになりまして......。

ワタナベ へぇー、普段は銀色ネタが多いのに珍しいねぇ。

アライ まぁ確かにドイツ寄りかもしれませんが、最近フランス系とか 元気じゃないですか。

ワタナベ 滝クリ?

ウエダ いや、そうじゃなくて......。

ワタナベ 確かにPSAもルノーも日本では販売伸ばしてるよね。

ウエダ シトロエン系も新型車が充実してきましたし。

アライ 気づけばDSとかアルピーヌとか、上位のブランド網もじわじわと敷かれてるんですよね。

ウエダ ナベさんイタフラ車って所有経験あります?

ワタナベ ないんだよね。なんか気恥ずかしくて。

ウエダ 気恥ずかしい? ワタナベ なんかオシャレ意識高く て日々頑張ってる感じに見られちゃ うよなぁと。

アライ そこまでステレオタイプな理由だったとは......。

ワタナベ でも現行でも好きなクルマはあるよ。A110とは言わずとも、308SWとかパンダとかはアシにいいよなぁと常々思ってるし。

ウエダ 共に朴訥キャラですね。ワタナベ ベーシックな小型車こそ イタフラ車の真髄じゃない?特にイタリアなんてBセグ以下作らせたらとんでもない実力発揮するし。

アライ フランスも悪くないですよ。

ワタナベ お、さすが106ラリ ー・オーナーの江戸っ子は食いついてくるね。そろそろ内装の樹脂が粉末化しちゃってるんじゃないの?

アライ そこ気にしてるんであんまりツッコまないでください。

■RENAULT AVANTIME

センターコンソールのシフトノブ周囲など樹脂部品の一部にべたつきが見られるが、シートは前後席ともへたっておらず、特に 後席の状態は良好
ラゲッジ・スペースは同世代のメガーヌIIと共通のクリフカット・デザインゆえに狭そうに見えるが、深さもあ って十分実用的

ウエダ まぁそんなこんなで今回は我々も、ちょっと変わったフランス車を求めてここ、ルノー所沢さんにお邪魔したわけです。

ワタナベ ここはアルピーヌのディーラーも併設されてるんだね。カングーとA110同時買いしたら、セット割とかしてくれるかなぁ。

アライ できませんよ。アルピーヌは独立したブランドとしてコントロ ールが相当厳しいらしいですし。

ウエダ こちらの2台も割引はありませんが、いわば裏メニュー的なセ ットということで......。

ワタナベ おおー、これはこれは。 よく並んでいたものだねぇ。

ウエダ しかも2台とも中古車として販売されているという......。

アライ 世紀を跨いでた頃のルノーって、企画もデザインも相当すっ飛んだことをやっていたというのが、この並びをみるとよくわかります。

ウエダ クリオV6とかヴェルサティスとか......メガーヌもすごいデザインになったのはこの頃でしたね。

ワタナベ 1990年代後半から2000年代の前半って、自動車のデザイン的には相当アグレッシブな変化があった時じゃない。アウディT Tとかアルファ・ロメオ156とか、歴史に名を残しそうなモデルも多く現れたし。そんな最中にあっても、前衛感をバリバリに漂わせてたのがルノーとBMWだったように思う。すなわちパトリック・ルケマンとクリス・バングルってことだね。

アライ なるほど、確かにバングルも相当なもんでしたよねぇ。

ウエダ しかしアヴァンタイムはコンセプトからしてなんというか......。

ワタナベ アヴァンタイムは生産だけじゃなくて、企画開発の段階でもマトラの意向が絡んでるんだよね。

アライ そうか。このクルマのベースはエスパスですもんね。

ウエダ 初代から三代目くらいまで のエスパスはマトラ生産でしたから、アヴァンタイムも当然そういうことにはなりますよね。

ワタナベ スパイダーも生産はデュエップだから、この2台はフランスのレーシング・コンストラクターの血統に通じていることになるんだ。

アライ まぁスパイダーの話はオタクのウエダに任せときましょう。

ウエダ すみませんねぇオタクで。

左右のドア・ガラスおよびサンルーフはルーフにあるスイッチ1つで一気に開くことができる
ドア・ヒンジは非常に強固かつ凝った造りになっており、意外にも狭いところでも開閉は楽だ

ワタナベ しかしレーシング・コンストラクターの片鱗が窺えそうな作り込みがないものかと調べてみると、 アヴァンタイムってアルミと鋼板のハイブリッド・モノコックなのね。

アライ 20年近く前にそんな構造採 ってたんですか。

ワタナベ Aピラーから屋根を通ってCピラーにかけてのちょうど銀色の部分がそうなんだって。で、この巨大なサッシュレス・ドアを使いやすくするためにドアをアウター・スライドさせてるん だけど、そのヒンジにアルミ切削のすんごい頑丈そうなヤツを使ってるね。

アライ そこまでしてミニバン・ベ ースで2ドアのピラーレス・ハードトップを作りたかったとは......。

ウエダ この、サンルーフも窓も一発全開にするボタンなんて、多分トンネル抜けて南仏に入ったら押す、そのためだけにあるんですよ。

ワタナベ で、横窓のヌケを完璧にするためにインテグレーテッド・シ ートベルトまで採用してる。ここまで凝ったハードトップは当時はメルセデスのCLくらいしかなかったんじゃないかなぁ。

アライ 要はバカンスのために作られたクルマということですか。

ワタナベ 彼の地の人々の、それに懸ける意気込みは我々の想像を絶するものがあるからねぇ。

ウエダ たとえばカングー・ビボップなんて、4人のヤング・ファミリーがピクニックに行くために特化したクルマって印象ですよね。シエンタとかフリードとかには真似できな い振り切れっぷりですよ。

アライ じゃあアヴァンタイムはさしずめカップルのWデートって感じなのかなぁ。

ウエダ リア・シートも意外と肉厚で掛け心地はいいですしね。

ワタナベ ところが日本では、この趣旨を理解するユーザーは少なかったんだね。

アライ なぜか曙が窮屈そうに乗ってたりで、売る側もどうすればいいのかよくわからなさそうでしたよ。

ウエダ 結局全体でも8500台くらい、日本では200台くらいの販売に終わったようです。

ワタナベ でも今ならこの洒落がわかるお客さんに囲ってもらえるかもしれないよ。働き方改革やら三連休やらで休日も増えたし。

アライ まぁ難易度は高そうですが。

ウエダ しかしこの2台、合わせて 500万円切りって、ちょっとヤバ くないですか?

ワタナベ 確かに。銀の国とは違う クルマの楽しみの豊かさがあるよね。

■RENAULT SPORT SPIDER

アルピーヌの名こそ付かないが、本拠地デュエップで製造されたスポール・スパイダーは、いわばA610と新型A110の間 をつなぐモデル。アルミ製の溶接フレームに樹脂のボディ・パネルを組み合わせた2座オープンで、クリオ・ウィリアムズや 初代メガーヌに搭載された2ℓ4気筒エンジンを車体中央に搭載
本来ワンメイク・レース車両として開発されたため、公道仕様はディフューザーのみでフロント・ウインドウがない"ソットヴァン"が標準だったが、写真の三角窓とフロント・ウイ ンドウが追加された"パラブリーズ"も登場し、当時の輸入元、フランス・モーターズによって導入された。レカロ製のシートは肉厚で座り心地が良く、低いショルダー・ラインに対して着座位置が意外と高いことが分かる

■ルノー・アヴァンタイム2004年型 ステップ・メタリック/ ベージュ 走行2.9万km 左ハンドル 5段AT 検なし 修復歴なし 正規輸入車 ルーフキャリア シートヒーター キセノンヘッドライト 117万8000円

■ ルノー・スポール・スパイダー 1998年型  イエロ ー/ブラック 走行1.4万km 左ハンドル 5段MT 検なし 修復歴なし フランス・モーターズ正規輸入車 カキモト・レーシング製マフラー 347万7000円

ルノー所沢のストア・マネージャー、伊藤 浩さんと話す渡辺隊長
所沢入間バイパス沿いの敷地の片隅には、看板代わりかベージュの年季の入ったR4が駐まっていた。左手奥に見えるルノー所沢のショウルームのさらに奥にアルピーヌ所沢ショウルームがある

■ルノー所沢 埼玉県所沢市若狭4-2451-1
TEL:04-2907-3630
HP: https://www.renault.jp/dealer/ renault_tokorozawa/

渡辺敏史+新井一樹(ENGINE編集部)+上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=阿部昌也

(ENGINE2019年10月号)
※紹介した中古車の価格、在庫については、取材時のものです。

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ハッチバックの皮を被ったレーシング・カー、メガーヌR.S.

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