ENGINE WEB

CAR 2019.8.8 

マクラーレンGTとともに来日したチーフ・デザイナーに聞く。

来日したチーフ・デザイナーであるゴラン・オズボルト氏は、マクラーレンであること、グランドツアラーであることに、妥協なしと語った。

ノーズの先端からリア・エンドまで淀みなく流れるように連なるラインで形作られたスピードテールには、心底驚かされたが、そのデザイン作業に携わった人が、マクラーレンの最新作、〝GT〟の日本発表に合わせて来日するという。彼に課せられ た仕事はもちろん、〝GT〟のコン セプトを説明することにある。

〝GT〟は、570GTでグラド ツアラーに取り組んだマクラーレンが、既存の3つのシリーズとは別個に、新たなカテゴリーの創設を狙って開発したクルマだ。それはスポーツ・シリーズの1台でもなく、スー パー・シリーズの1台でもなく、アルティメット・シリーズの1台でも ないのだという。

まだこれ1台だけだから、シリーズの名称を与えられてはいないが、第4のカテゴリーを意図したクルマであることは間違いない。それは、スピードテールとの血縁を意識させる姿形をしているが、既存シリーズのどれとも印象を異にするのである。チーフ・デザイナー を務めるその人、ゴラン・オズボルト氏はこう説明する。

 
 

「GTはスピードテールからの流れを汲むもので、グランドツアラーと してより必然的な形、成り立ちをもっています。スポーツ・シリーズの派生モデルとして作られた570G Tよりも、より合目的的にロング・ツーリングへの適性を考えてすべてが成り立っているクルマなのですGTは570GTの直接後継モデルというわけではありませんが、グランドツアラーを欲する人にとってはより魅力的なクルマだと思います」

これまでのマクラーレンとは違った印象を与えるスタイリングの意図は、ダウンフォースよりも低ドラッグを狙ってのものなのですか? と 問うと、きっぱりこう答えた。

「われわれはマクラーレンです。だからこのクルマにしても、あくまでもドライバーズ・カーであって、操る喜びが最優先事項です。GTでは そこにロング・ツアラーとしての必然的要素を織り込んであるのです。 動力性能や運動性能で妥協はありません。マクラーレンの名に相応しいそれらを維持したまま、より快適な室内であるとか、荷物がたくさん積めるとか、グランドツアラーとして必要になる要素を、妥協なく加えたのです」

だから、10%消費税率導入後の税込価格が2645万円という、スーパー・シリーズよりも安い価格帯のモデルであっても、グランドツアラーに相応しい乗り心地を実現するために、プロアクティブ・ダンピン グ・システムを採用しているということなのだろう。

カーボンファイバー製のセンター・バスタブにミドシップ搭載のターボ過給エンジンの組み合わせによる純2座という基本はなんら変わることなく、そして、あくまでもドライビングの喜びを希求するクルマを作るという点においても揺るがず、けれど、それを主にどのような用途で使うのかという観点で、徹底的に仕上げるという部分では妥協しないという近年益々明らかになってきたマクラーレンのクルマ作りの哲学が、 グランドツアラーとして結実したのが、つまりはこの新しい〝GT〟なのである。

2017年からマクラーレンのチーフ・デザイナーを務めているゴラン・オズボルト氏。このGTの前にはスピードテールのデザイン・ティームに参画した 。マクラーレンに来る前は日産インフィニティ・ブランドのデザイン部門で要職にあった。古今東西を問わず好きなクルマは?と尋ねると、マクラーレン720Sと古いアルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント(クーペ) だと答えてくれた。この新しいマクラーレンGTには 、GTカーとしてそれに相応しいエレガントなデザインを施したのだという。

文=齋藤浩之(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

マクラーレン570Sを駆って極上のリゾートへ。1泊2日試乗トリップ!

マクラーレン 720Sの魅力は衰えていない。文字通りのスーパーカー

スクーデリア・フェラーリ創立90周年特別展示を見た。跳ね馬の輝ける90年。

総合アクセスランキング

最新の人気記事

CAR トップへ