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CULTURE 2019.7.9 

90周年を迎えたクルマの祭典 コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ2019リポート

イタリア・コモ湖畔で開かれた今年のコンコルソ・デレガンツァでは、90周年に相応しいモデルがトップ賞を独占するとともに、イベントの未来を感じさせる意欲的な試みも披露された。

今年は5月25〜26日に催され、49台が参加した。ダブル受賞を果たした1937年アルファ・ロメオ8C。昨年ペブルビーチでもベストに輝いている。

コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステの歴史は1929年に遡る。ミラノの愛好家たちが、カロッツェリアに特注ボディを造らせ、美しさを競ったのが始まりだった。第2次大戦後は1947年に再開。だが社会の大衆化で自動車の主役は量産車となり、クルマを披露する場はモーターショウに取って代わられた。そのためヴィラ・デステは1951年に一旦役目を終えるが、1995年にクラシック・カーの祭典として復活した。今年はコンコルソだけでなく、1999年から後援を務めるBMWもブランド誕生90年という節目であった。それらを祝うべく招待日の夜には、BMWの戦前車12台と往年の街を模したセットの中、参加者のドレスコードも戦前風というパーティが催された。

肝心のプライズも"ダブル"となった。招待者投票による「コッパ・ドーロ」と13名の審査員による「ベスト・オブ・ショウ」は、いずれも1937年アルファ・ロメオ8C 2900Bが選ばれた。同型車のなかで僅か10台が製造されたロング・シャシー版で、トゥーリング製の堂々たるベルリネッタ・ボディをもつ。レーシングカー用を流用したシャシー、リア・マウントのギア・ボックスに代表される技術と完璧なデザインの融合が評価された。いずれもミラノを発祥とするアルファ・ロメオおよびトゥーリングの傑作という点で、90周年に相応しい選択であったといえる。

幻のガンディーニ作を復刻

いっぽうBMWグループは、ある意欲的な取り組みを披露した。カロッツェリア・ベルトーネが1970年ジュネーブで公開したショウ・カー「ガーミッシュ」の復刻である。当時オリジナルのデザインを手がけたのは、ランボルギーニ・カウンタックなどで知られる、あのマルチェッロ・ガンディーニであった。ベルトーネとしてはBMWとの関係強化を意図したものだったが、BMWスタッフによると実車はショウ後に行方不明となった。復刻は今年81歳を迎えるガンディーニ本人監修のもと、BMWによる最新3Dモデリング技術も駆使して実現した。同様のプロジェクトが続けられれば、現存する世界最古のコンクールによる、自動車文化に対する新たな役割を示すことができよう。

今回復刻された1970年ベルトーネBMWガーミッシュ。キドニー・グリルのデザインにもガンディーニ流解釈がみられる。彼は「楽しかった過去の再生を、BMWが選択してくれたことを嬉しく思う」とコメントしている。

一般来場者投票賞に選ばれたランチア・アストゥラ。1938年にピニンファリーナが土台となるシャシーを受領したものの戦争に突入したため、制作再開は1947年だったという数奇な運命をもつ。そのため、スタイルは戦前戦後の美的感覚が融合されている。

BMWモトラッドのデザイン部門は「コンセプトR18」を公開。水滴型フューエル・タンクと一直線のフレームといった歴代モデルのアイコンを現代風に再解釈した。

文=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA 写真=Akio Lorenzo OYA/Mari OYA

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