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CAR 2019.6.23 

エンジン中古車探検隊が行く! 芸能人も愛用のキャデラックのオープンカー

ワイドショーで某俳優の愛車として話題になったオープンカーを探し求め、中古車探検隊一行は三重県津市にあるアメ車のスペシャリストを訪ねた。

ベンツSLのライバル

(ウエダ)今月のエンジンの特集はオープンカーがテーマということで、我々もイケてるオープンカーを探しに行こうと思うのですが。
(アライ)ナベさんは割とオープンカーに多く乗ってますよね。
(ワタナベ)そうねぇ。幌屋根ジムニーのフルメタル・ドア仕様とかフェアレディZのTバーとかCR-Xデルソルとかの変態系も加えていいなら結構な数になるかなぁ……。
(アライ)相当こじれてますね、それ。

(ワタナベ)前の愛車のボクスターなんかは相当直球だったけどね。クルマとしてはすごく気に入ってたけど、オープンカーとしてはど真ん中すぎて面白みがなかったかも。
(ウエダ)もうストレート系は愛せなくなっちゃったんですね。
(ワタナベ)そんなことないよ。R129とか欲しいもん、今。
(アライ)先々代のSLですか。それは確かに真っ直ぐだ。

(ワタナベ)今でこそスーパーカーから軽自動車まで上下にも左右にも色々なオープンカーがあって一概に纏められない感はあるけど、2000年くらいまでオープンカーの王様といえば文句なしでSLだったでしょ。
(ウエダ)そうですねえ。最近はメルセデス自身もSのカブリオレなんかを出して、SLの肩身を狭くしちゃってる感があります。
(アライ)走る側にはAMG GTのロードスターがあるし。次期型SLって、どうなるんですかね?
(ワタナベ)歴史ある名前だから残るとは思うんだけど、コンセプトは相当悩ましいところだろうねぇ。
(ウエダ)で、今日はそんなSLの向こうを張るべく作られたモデルを捉えようと三重までやってきたわけです。

三重・津ICからクルマで15分ほどのGM認定サービス工場でもあるバーニーズのショールーム。

(アライ)おっ、なんかすごいオープンカーがあるけど、あれ?
(ウエダ)それは1953年型のキャデラック・エルドラドですが、我々のお目当てはこっちです。
(アライ)おおー、XLRですか。最近報道を通して一部マニアに注目を浴びたクルマですね。
(ワタナベ)取り上げるのはちょっと生々しすぎない? って言ったんだけど、ウエダくんが興味津々で。
(ウエダ)僕だけじゃなくて編集長も食いついてきたんですよ。
(アライ)以前は週刊誌でしたし、記者魂に火がついちゃったんでしょうか。

コルベットとキャデラックの夢の競演

(ウエダ)まぁそれはさておき、XLRといえば21世紀のキャデラック・デザインを牽引する役割を担ってもいたと思うのですが、それにしても相当エッジィなカタチですね。
(ワタナベ)1999年にエヴォークってコンセプト・カーを出した時、キャデラックはアート&サイエンスというスローガンを掲げてデザインの大改革を表明したんだよ。それは2002年に100周年を迎える際にあたってブランドの新章を引っ張る術でもあったと思うんだけど。
(アライ)えっ、じゃあキャデラックはもう120年近い歴史があるんですか。それは凄いなあ。
(ワタナベ)GMの傘下に入ってから数えても110年。キャリアはロールス・ロイスに勝るとも劣らないよ。
(ウエダ)で、話をXLRに戻しますと、特徴はなんと言ってもこの低さというか薄さというか……。
(アライ)異様なくらいペラッとしてて、折り目という折り目がパキパキ。
(ワタナベ)僕は好きなんだよね。キャデラックのアイコンであるバーチカルな灯火類との親和性も高いし、仰せの通りのアート&サイエンスな感じもなくはない。

ノーズからテールまで一直線に繋がるラインが美しい。縦型のテールやハイマウント・ランプと見事に調和している。
ウッドとレザーの組み合わせとなる豪華なインテリア。BOSE製のサウンドシステムは標準装備。
速度計の周囲には当時キャデラックとコラボレートしていたブルガリのロゴが入っている。リモコン・キーのデザインもブルガリが手がけたという。

(アライ)そしてメタル・トップとの相性もいいですよね。
(ウエダ)そのトップ、開閉アクションがすごく凝ってます。クォーター・ウインドウの畳み込みやトノカバーの造作なんか、正直もう少しシンプルにできなかったのかと思うほどで。
(ワタナベ)開閉時間はちょっと長めの約30秒。でも動作は油圧式だから作動音は静かかも。
(ウエダ)でも荷室の積載性は正直あんまりよくなさそうですね。これ、走りはどんな感じなんですか?
(ワタナベ)基本的にはイメージ通りゆるふわな感じなんだけど、曲がると意外としっかり踏ん張るしロール量もそう大きくない。理由はこの薄っぺらい佇まいも影響してるんだけど、C5コルベットのアーキテクチャーが多用されてるからなんだよ。
(アライ)ああーそうでしたよね。ハイドロフォームのフレーム構造で変速機も確かトランスアクスル。

(ワタナベ)そう。エンジンはDOHCのV8ノーススターを縦置きして使ってるんだけど、それ以外は驚くほどコルベットなんだよ。
(ウエダ)コルベットとキャデラックの夢の競演。そしてXLR以降、キャデラックにはオープンモデルがありません。好き者にとっては相当歴史的価値の高いモデルですね。
(アライ)珍車だけに部品の入手を心配しましたが、ここバーニーズさんのようなGMの認定工場だと純正パーツはきちんと注文できるそうです。

シャシーはコルベットと共通だが、エンジンはOHVではなく324psを発揮する4.6ℓV8を縦置きする。XLRは2004年より導入され、2007年に上位モデルの446psを発揮するXLR-Vも投入された。またスターブラックリミテッドエディションという限定車も、わずかな台数が上陸している。
 

(ワタナベ)思えばキャデラックのオープンカーという記号性はもはや昭和的なクラシックなわけじゃない。でもその様式美をなるべく説教臭くなく今的に表現しようと思ったら、XLRに勝る選択肢はないわけだ。
(ウエダ)ともあれ国内流通数は極端に少ないので、いいタマに出会ったら即買いという感じでしょうね。

■キャデラックXLR 2005年型 ブラック/ブラック・レザー 走行6.3万㎞ 左ハンドル 5段AT 車検整備付 正規ディーラー車 修復歴無 記録簿 アダプティブクルーズコントロール ヘッドアップディスプレイ ETC 298万円

渡辺隊長の横に立っているのが新旧キャデラック・コンバーチブルをストックするバーニーズ代表の藤田吉伸さん(写真左)。

■バーニーズ 三重県津市藤方530番地 TEL:059-227-6365

話す人=渡辺敏史+新井一樹(ENGINE編集部)+上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=阿部昌也

(ENGINE2019年6月号)
※紹介した中古車の価格、在庫については、取材時のものです。

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