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CAR 2019.6.8 

ルノー・スポールの存在は偉大。腕利きがホメるハンドリング。

ルノー・スポールが未導入のまま臨んだ昨年のエンジン・ホット100は46位。先代で2位まで躍進したこともあるメガーヌとしては不本意だったに違いない。しかし今年は違う。エースの登場で見事、トップ10圏内に返り咲き。素のモデルも魅力的だが、やはりルノ-・スポールの存在は偉大だ。

ルノー・スポール=R.S.の出来に感銘

メガーヌといえばVWでいうゴルフやトヨタでのカローラにあたる素うどん的な主力乗用車である。デザインやクオリティはさすがルノーの上級車種に恥じない仕上がりだし、話題のADAS(先進運転支援システム)も現行ルノーでもっとも充実するのも一応の売り(笑)ではある。また、あまり知られていないが、日本でも一般グレードの「GTライン」が用意される……のだが、今回はほぼ全員がトップガン・モデルの「ルノー・スポール=R.S.」に感銘を受けての選だ。しかも、そのR.S.の評価ポイントもハンドリング性能の一点のみに完全集中する(笑)。

それは「R.S.のハンドリング性能は(中略)アクセル・ペダルとハンドルでラインを作っていくときの正確性が素晴らしい」と評する菰田潔さんや「カウンターステアが当たるFWD!!」と語る桂伸一さんを筆頭に、松田秀士さん、佐藤久実さんなどの腕利きのプロ・ドライバーがこぞってホメるのだから、その性能が本物であることは論をまたない。

4輪操舵の効力絶大

「FFを速く走らせるにはリア・スタビリティが重要」と語ったのは、メガーヌR.S.最大のライバルでもあるシビック・タイプRの開発担当者だった。昨今の高性能FF車が、リアにこぞってダブルウィッシュボーンやマルチリンクなどの凝ったサスペンションを採用したり、その本格スポーツ・モデルが可変ダンパーや巨大なリア・ウイングを背負ったりするのも、そういう理由からだ。

しかし、メガーヌR.S.はリアサスペンションをシンプルなトーションビームのままで可変ダンパーも派手なエアロも追加せず「ゴルフGTIオーナーの私が羨むほど」(生方聡さん)で「ライバルも形無し」(大谷達也さん)の性能を実現した。その最大の理由はもちろん、FFとしては……というより300~400万円台(R.S.の弟分たる「GT」にも4輪操舵がつく)の手ごろなクルマでは類例のない本格的な4輪操舵にある。

ルノーの4輪操舵も高速域で後輪が前輪と同じ方向に切れる(=同位相)のが特徴で、同位相操舵は純粋にメカニカル・グリップを大幅に上げる効果があり、だから「乗り心地もマイルドになって家族持ちでもOKという大義名分」(嶋田智之さん)が立つ「乗り心地とハンドリングを完全両立」(武田公実さん)できた。

本当の魅力はフトコロの深さにある

メガーヌR.S.はこの新型でも、さらなるハードコア・モデルを仕立てて、ニュルのFF最速タイム奪還をねらっている……と海外メディアにスクープされているが、このクルマの本当の魅力は、私のようなオタク系クルマ好きでも溜飲を下げられるフトコロの深さにある。標準のシャシー・スポールの望外に快適な乗り心地もその証拠だが、やっぱり「FWD車としては唯一といえる、積極的なヨー・コントロールが楽しめる」という山田弘樹さん評が最大のキモだろう。「万人に万能!」(飯田裕子さん)や「難しいワインディングもイージーに攻略できちゃう」(竹岡圭さん)というインプレッションには深くうなずくしかないし、今尾直樹さんの「A110のいわばFFハッチ版」とはまさに言い得て妙。クルマの本質的な旋回性能に駆動方式なんて関係ない!?……と思わせてくれるクルマである。

■全長×全幅×全高=4410×1875×1435㎜。ホイールベース=2670㎜。車両重量=1480㎏(R.S.)。R.S.は1.8ℓ直4ターボ(279ps、25.5kgm)を搭載。カタログ・モデルは6段自動MTのみとなる。R.S.のほかに1.6ℓ直4ターボ(205ps)のGTと1.2ℓ直4ターボ(132ps)のGTラインも選べる。車両価格=263.0万円~で、R.S.は440万円。

文=佐野 弘宗 写真=神村 聖

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